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610, 144000 part19 結局、常に限界に近い場所ほど、最も狙われやすくなっていた。それが採掘だった。……よくある話なのね。

 気づいたときには、すでに限界に達していた採掘という仕組み。常に余裕のない状態。そうよね……本来なら、そのような場所こそが、最も注意を払うべき場所だった。


 つまり、限界に近い箇所が生じた時点で早めに対処法を議論し、余裕が生まれるような構造を検討すべきだったのよ。


 そう考えると……。あのブロックチェーン。周囲の反対を押し切ってまで、採掘を外したあの判断。あれは……やはり、わかっていたのかしら。それとも理屈ではなく、その空気を直感で感じ取り、早い段階で採掘を外しただけなのか。


 これは、燃料だけの問題では済まないわ。古典的で、しかも物理法則に根ざした限界。だからこそ、この限界に量子が触れた瞬間……もう、極端な話、物理法則そのものを書き換える以外に助かる道はなくなってしまう。そのような極論にさえ、行き着いてしまうのよ。


 それが、量子セキュリティ的な限界。あの下限。これ以上、何も許されない状況。


 量子がほんの少し躍進しただけでもダメ。そこに、SHA-256の刻印まで現れてきた。それらが重なり、セキュリティの下限を、静かに、しかし確実に押し下げてくる。


 それに抗うためには……。ほんの僅かなビット数を引き上げるだけでも、膨大な燃料を大赤字でも投じなければならない。極めて困難な状況。


 そして……。この仕組みそのものを、簡単には止められない。動かし続けたまま、何とか……どうにか……。


 ……そうやって、追い詰められていくのね。

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