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599, 144000 part8 ずいぶんと、遠い存在になってしまったな。……いや。もともと俺にとって、女神なんて遠い存在だった。そして設計図だと? SHA-256刻印と、エントロピーの関係?

 無理にでも連れ出して、正解だった。そう……温泉だ。


 ネゲートは量子アリスの手記によって何とか耐え凌いだとはいえ、見ていてはっきりわかるほど疲弊していた。それで驚いたんだ。どうやら、こういう「何もしない時間」をあまり経験したことがなかったらしい。あれだけ各地を休みなく移動していたというのに……。案外、そんなものだったとはな。


 だが今回は、本当にタイミングが良かった。無理にでも連れ出した甲斐があった。


 ちょうど……あのディールがきな臭く動き始めた時期でもだった。あのままなら……たぶん、あいつは潰れていただろう。


 それにしても……この地は、あまりにも予測不能だ。いや……。さすがに俺だって、感じている。これは出来過ぎていると。これが動けば、次は必ずこれが動く。そこから、目的を達成するための「これ」が、また動く。まるで、すべてが一本の線でつながっているかのように次々と連鎖的に動いていく。


 ……でも、それが設計図だと? SHA-256刻印と、エントロピーの関係?


 エントロピー……って、何なんだ。まあ、ネゲートにとっては常識なのかもしれない。だが俺には正直よくわからない。


 ただ……あの、動き始めた拘束のやり方。あれは……最小限で済ませていたよな。始めるときは、最小限のエントロピー。……そう言いたそうな感じだった。そこから、目標に向かって一気に拡大していく。


 たしかに……その刻印も、そんな設計だったらしい。つまり、その中身を辿っていくと、関わっている「何か」は、結局……同じなのかもしれない。


 まあ、俺にはよくわからない。それでも……。ネゲートは、あの温泉から戻ってきて、闇を完全否定するのをやめた。


 それが原因なのか、それとも結果なのかは、わからないが……急に変わったというか、いや、むしろ……女神らしくなったというべきか。ずいぶんと、遠い存在になってしまったな。


 ……いや。もともと俺にとって、女神なんて遠い存在だった。

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