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597, 144000 part6 梯子外しの件は否決。これで……冬の時代は回避したわ。いつものわたしなら嬉しくて、つい踊ってしまうけれど、今は違う。否決という「中間結果」が出たと、静かに受け止める。

 あの、不思議な温泉から……いくばくか、時が経過したわ。


 そこで、わたしは……闇に感謝する気持ちを、授かった。その瞬間、わたしの中で、何かが大きく変わっていくのを感じた。


 結局……わたしって、周りが、まったく見えていなかったのよね。気づけば、排他的に偏っていて、その視野は、このクリプトの塔から見渡せる範囲に限定されていた。量子ですら、真剣に見ようともしなかった。


 そして……懸念されていた梯子外しの件は、否決されたわ。


 これについても、わたしは十分に見てこなかった。その梯子は、あまりにも規模が大きい。ノイズなどという言葉では、済まされない。天に届きそうな梯子を、外されるかもしれない……。そんな状況だったわ。つまり……この時代を乗り切るには、光も闇も、一丸となって進むしかない。


 そんなことにも気づかず、ただただ、投げ込まれた量子に、文句を垂れていた日々。


 ……わたしって。本当に、未熟だったわ。でも……今は違う。いつものわたしなら、嬉しくて、つい踊ってしまうところだけれど……。そう。今は、違う。


 これは、勝利ではないわ。否決という「中間結果」が示されたにすぎない。闇の者だって、わたしの民よ。その民から、仮想通貨について、早急かつ真剣に受け止めるべき明確な提案が、突きつけられた。


 わたしは、女神として……それに、結果を出す義務がある。


 そして……量子アリスと、わたしの姉……コンジュ姉の存在。わたしが未熟だったから、裏で、ずっと動いてくれていたのね。


 それから……わたしの、あの存在。……使い魔? ううん。わたしは、魔女ではないわ。女神よ。もう、「使い魔」なんて呼び名は、やめましょう。それでは……何て、呼べばいいのかしら。


 ……あれ? そういえばあいつ、自分の名を……、なんて言っていたかしら。


 ……ええ。これも異常事態よね。フィーに、この地に呼び出されて、ここまで長く付き合ってきたのに……名だけは、思い出せない。


 フィーに、変な名を与えられて困惑していた、なんて話も聞いたわ。……ふふ。そうね。フィーは、数を操る以外は、ほぼダメだもの。ふふ。そうね、そんなのわかってた? まあ、フィーだもの。


 でも……少しずつ、思い出してきたはず。たしか……「ひらがな三文字」よ。そんなことを、話していた気がする。


 ……ひらがな三文字?


 なにか……引っ掛かるわね。……、……、……。それって……。そういう、ことなの?


 つまり……「いよいよ」ね。

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