596, 144000 part5 闇にも感謝。この気持ちが大事だったのね。梯子を外される件……その問題点の指摘は、正確だもの。
……もう、迷っている時間すらない。あの「ディール」が、次のステージに進んだ以上、これ以上、不確実性を増やすべきではないわ。
本当に……ここで「冬の時代」なんてやったら、おしまい。そう……量子アリスがわたしに告げた、この「おしまい」という言葉の本当のニュアンスは、仮想通貨に限った話ではないの。
つまり……この地、そのものの話よ。
そして……量子アリスは、闇の精霊よ。そのような存在が、わたしに、こう告げている。闇だってね、別に、この地の崩壊など望んでいないわ。
そんなことになったら、闇が好む「あのような商売」だって、成り立たなくなるわよ。それほどの混乱を招いてまで、邪神イオタに尽くすのかしら?
……ううん。それは、ないわ。
闇の内部でも、意見は、きっと割れている。
その闇から、梯子外しの件で提示された課題。それが……ハッシュ関数。それはつまり、ショアとは無関係な、ハッシュレートの低下が指摘されたのよ。闇とはいえ、課題解決能力は、きちんと見てくるわ。巨額なマネーが動く以上、そこは当然よね。
だから……まずは、受け入れる。
そして、その指摘に感謝しながら、解決策を提示する。それだけが、いま、唯一残された道。
……そう、わかった。量子アリスにも……、感謝してもしきれないわ。
……。落ち込むのは、なしにしましょう。落ち込んでも、何も解決しない。動き始めた以上、わたしも……強気で邁進する。
……さて。また、入りにいこうかしら。こういうのも、たまには、悪くないわね。塔の中で、考え込んでいても、何も浮かばなかったのに。
ここへ連れてこられてから、すべてが一気に……鮮明になったわ。




