535, 刻印の証人
なにかしら……今日は妙に胸騒ぎがするのよ。それもそのはず。あの証人……SegWitが、演説するのだから。
もちろん、演説そのものはどこでもやっているし、わたしはもう「魔女」にされた身だけれど……ね。でも、今回は特別な場で執り行われるわ。そのせいか、わたし宛てに直々に挨拶が届いたのよ。しかも……「魔女」ではなく「女神宛て」で。
わたしだけじゃない。コンジュ姉も「嫌な予感がする」と言っていたわ。そうよね、わたしだって……すでにこんな状況にいるもの。
「さすがは……『刻印の証人』に選ばれるだけのことはあるわね。ここで何かを打ってくるのね。」
「それは糸が導くのか、それとも己の意思なのかしら……。」
「コンジュ姉、あなたはどっちだと思うの?」
「私は……直感で、己の意思。特別な、あのような場で演説するなら、自分を出してくるはずだから。」
「……それでわたしに差し向けて、こんなご挨拶まで。」
「相手は『証人』よ。相当な自信をのぞかせているわ。注意なさい。」
女神宛てでこんなのをよこしてくる意味。わたしは女神よ。わざわざ招待されなくても、特別な、あのような場に顔を出す必要があるくらい、わかっているでしょうに。それでも、こんなことをして……。