524, やっぱり、証人とする者たちは、ずっと昔から決められていた……そんな気がしてきたわ。ちょうど、傀儡にするのに最適な条件がそろっていたわ。
なんだか懐かしい時間。わたしは開き直ったのか、それとも、もう吹っ切れたのかもしれない。
「こうして過ごすのって……久しぶりよね?」
「あら? あなたが拒んだから、そうなっただけよ。私はいつでも待っていたのに。」
「……また、闇に誘おうとしてるの?」
「ううん。それは無理だと、もう話したはずよ。」
「それなら……?」
「さあ。それはご想像にお任せいたしますわ。」
……なんか、つれないのよね。もう。
「それで……コンジュ姉はここを拠点に活動するの? Web3とかで?」
「そうね。闇から見ればWeb3は本来……。でも、わかるでしょう? 今はそれどころじゃないのよ。」
「ほら、また支配したがる。闇はそこを直しなさいよ? 支配欲の強い闇にとってはCBDCこそ最適なんでしょう? でも今回は、そこに平和賞が絡んでしまった。CBDCを選べば、平和賞まで確定してしまう。そうなったら……闇は壊滅的被害を受けるわ。だから、消極的にわたしの……Web3になった。そうよね?」
「……あなたって、ほんとにそう。なんでも並べて分析したがるのは悪いクセ。たまには素直に、闇を受け入れて。今回は闇だって必死。あれだけ急激に量子を解放したのにも、訳があるの。そこは理解してほしいわ。」
「……わかったわよ。わたしだって最初は……。その分で引いておくわ。」
Web3は、なかなかいい立ち位置ね。反発しつつも絶妙に落ち着いた場所。今の状況では、闇だってWeb3に力を注がないと、本当に危ういのだから。
それにしても……この刻印。裏の調査を完璧にこなす闇の勢力すら窮地に追い込むなんて。むしろ調査を徹底していたからこそ、裏付けのように量子が戦略的に現れ、刻印絡みのマネーが乗った……。それでも時間的には、もうギリギリという感じね。
やっぱり、証人とする者たちは、ずっと昔から決められていた……そんな気がしてきたわ。ちょうど、傀儡にするのに最適な条件がそろっていたわ。
そんな話をしていたら、コンジュ姉も疲れたみたい。
「やっぱり、その甘いものボタン……。どうしても気になるのよ。」
「もう……仕方ないわね。押してみて。量子アリスは、そのボタンの常連よ。」
「へえ、そうなの。それなら……押してみましょう。」
そしてついに、そのボタンが押された。そして、出てきたものは……。