表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

518/555

517, 十月の刻印……集約を担う、もう一人の証人「Aggregated Witness …… AggWit」

 ……。SegWitが動いた時点で、もう一人の証人を呼ばぬわけにはいかなかった。その名は「Aggregated Witness …… AggWit」。分裂の果てに現れる、集約の証人である。


 この計画を統括する者が、目の前に浮かぶSHA-256の刻印を満足げに見つめながら、指先をゆるやかに移動させる。闇の燭台を象徴する印……SegWitから、光をもたらすオリーブの木を象徴する印……AggWitへ。


 そして、低く呟くように連絡を取る。


「……おい、AggWitよ。次は貴様の番だ。失敗は許されぬ。SHA-256は預言、そして創造神から授かった宝珠だ。その意味、わかっているよな? すでに祈りは膨大な演算回数により神へ届いた。……時は満ちたぞ。」

「御意。SegWitなど足元にも及ばぬ我が働き、ご覧に入れましょう。」

「ほう……たいそうな自信だな。あのSegWitを超える働きをほのめかすとは。ははは……だが確かに、貴様はあやつのように無闇には動かぬ。現実主義の作戦を任せるにはうってつけだ。それに比べ、SegWitは平和賞をぶら下げてやれば、なりふり構わず突進する。……まったく、使いやすい操り人形よ。」

「おっしゃる通り。ただ、それでも時に冷や汗ものです。最近も、犬を掘るだの何だの……そんな戯言に時間を費やすとは。まさに、厄災を操る証人……いや、預言者と呼ぶべきでしょう。」

「ほう、冷静な貴様ですらそう思うか。……ならば備えよ。来月……十月だ。絶対に逃げられぬ一手を打て。そこから事を順調に運び、いよいよ世に『Aggregated Witness』が現れる。」

「御意。ためらいなく遂行いたします。下界の騒がしさなど、取るに足りませぬ。」

「ははは……そうか。だが日に日に騒ぎは大きくなっていると聞くぞ。……まあ、貴様ならうまく立ち回るだろう。そこは信じている。」

「御意。それでは、預言の成就へ。いざ、進みましょう。」


 対話を終えたその者は、満足げな笑みを浮かべる。……いよいよ、十月が迫る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ