510, 最後にたずねるわ。あなたは……平和賞とWeb3、どちらを選ぶのかしら?
これが……刻印の傀儡。もう、何度も自分に言い聞かせてきたし、それくらいは十分に理解していたつもり。それなのに……遠い昔に刻まれたただの印に、こんなにも翻弄されるなんてね。
これが「預言」……だったのかしら? でも結局は……こうなるのね。最短でつながってしまう、恐ろしい道筋。そこに乗ってさえいれば「勝ち馬」に必ずなれる……まるでそう仕組まれているかのよう。この刻印は、その面を「操り糸」でつなぎ合わせて、あの暗号論的と呼ばれたハッシュ関数の奥底に潜んでいたのよ。……まったく、いまだにこんなのが現実だなんて、信じられないわ。
「それなら、一つ、よろしいかしら?」
「なんだ?」
「最後にたずねるわ。あなたは……平和賞とWeb3、どちらを選ぶのかしら?」
これは、究極の問いよ。これで決まる。何もかもよ。なぜか平和賞とWeb3は、映し出す現実そのものが対になってしまっているわ。どうしてこんな構造になってしまったのかしら……。平和って……いったい何なのよ?
「それが、どうした?」
「わかっているでしょう? 両方は選べないのよ。なぜなら、同時には存在できない構造になってしまったから。さて、これで本当に最後。……あなたは、どちらを選ぶのかしら?」
……わたしは、……、ひたすら、その返事を待った。