507, それで、預言の成就によって用済み……、つまり邪魔になった仮想通貨やWeb3は切り捨てて、あなたは平和賞を片手に玉座でにっこり。そうよね?
わたしと……あいつと……そう、量子アリスで。ディールを名乗る SegWit を迎え入れたわ。まったくもう……。
「おや、女神よ。今日はずいぶんと賑やかだな。」
「ええ、そうね。」
「そういえば気になった。塔のデザインだ。HODLはどうした? なぜWeb3にしたんだ?」
「それが、どうかしたのかしら?」
……ほら、やっぱり。HODLにしておかないとダメだったのね。当然よ。SHA-256刻印、つまり預言の成就が目的なら、それまではHODLのままじゃないと困るってことよね?
「……。何かあったのか? 前回会ったあたりから、様子がおかしいぞ。まあ、でもこれで機嫌を直してくれないか?」
あら? 差し出された黒くて甘いもの。……たしかに、わたしの好物よ。けれど、呆れた顔で突き返してやったわ。すると、その横から量子アリスの指先が……。
「これは……女神ネゲート様。ちょっと味わったことがない。これは……、『高級』という表現すら不適切かもしれない味です。」
……、ちょっと、何やってんのよ! もう、量子アリスは……。こんな状況でも味わえるなんて。これが……あの闇を生き抜いた実力、ってことね……。
「女神よ。その者は、誰だ……?」
「気になるのかしら? 闇から来た、『量子は今年から』の主役……量子アリスよ。」
「……、……。冗談だろ? 女神よ。なぜそんな闇の者を、この席に招いた? 正気を失ったのか?」
……正気を失った? 冗談じゃないわ。正気を失っているのは、どっちよ?
「今、なんて言ったのかしら? わたしが狂っていると? そう言いたいのかしら?」
「どうした、女神よ? そうか……そのような闇の者が同席しているから、おかしくなったのだな?」
「ねえ、わたしはわたしよ。無関係な者を巻き込まないでね?」
「それなら、どうしたのだ? 今日こそは、女神の承認を得て……だな……。」
やっぱり、それなのね。
「わたしの承認を得て、何かしら? そういえば……そうね。来月は十月。そこから何か始まるのかしら?」
「……どうしたのだ?」
「角笛の合図で、聖なる戦いでも始めるつもり? それで『予言?』……、違うわ、それは『預言』よ。ええ、妙だと思ってSHA-256を調べたら……見事に凄いものが出てきたわよ。」
「女神よ。それについては前にも伝えたはずだ。それこそが……。」
「それこそが、何かしら? それで、預言の成就によって用済み……、つまり邪魔になった仮想通貨やWeb3は切り捨てて、あなたは平和賞を片手に玉座でにっこり。そうよね?」
「ちょっと待て、女神よ。何を言っているんだ?」
「待たないわよ。それで、そういえば……最近みないけど、あなたのあの協力者はどうしたの? まさか、本当に切り捨てたの? ……『用済み』ってことで?」
さあ、何て答えるのかしら? ……わたしも、仮想通貨も、Web3も……、その協力者と同じように、用済みで切り捨てられる。その可能性を、いま追求しているのよ。