505, 特に、あの人形には気をつけねばなりません。いずれ滅びる運命にあるはずなのに、なぜ粘るのだ? 我らにとっても想定外だろう。あやつは人形ではなかったのか?
ちょうど時を同じくして、西にも東にも踊らされながら……、ただ、遠くにそびえ立つ「クリプトの塔」を、崇めるように見上げていた者がいた。そう……、玉座を狙いながら、あのディールに尽くす……。
「……ますます状況は悪くなる一方だ。どうして、こんなことに……。昨年の今ごろは、確かな勝利、玉座への道筋すら鮮やかに描けていたというのに! すべて、レッドの勝利だったはずなのに……。」
「はい、承知しております。もうこれは……、仮想通貨に潜む『何か』が、この現実を託してきたのでしょう。やはり……そこには力がある。ですが、それが何なのか、見当もつきません。どうして、これほどまでに動いてしまうのか!」
「まったくだ。数年……いや、数十年かけて動き出すはずの政局が、たった一年で大きく揺らいでいるではないか。どうなっている? これでは、まるで見えない糸で操られている……この私までもが! もしそれが事実なら、大いなる不覚だ。」
「どうか落ち込まれませぬよう。いまは、とにかくこれ以上のマイナスを防がねばなりません。うっかりとした一言すら切り取られ、ネガティブに変換される……、そういう時代でございます。特に、あの人形には気をつけねばなりません。いずれ滅びる運命にあるはずなのに、なぜ粘るのだ? 我らにとっても想定外だろう。あやつは人形ではなかったのか? 立場の差を利用して人形を操っているつもりが……まさか我らが逆に操られているのではあるまいな……。」
「そんなことはわかっている! だが、このまま何もしなければ……。あの聖地絡みを成功させてみろ? あのディール好きのミームは、ずっと玉座に座り続けるぞ。だが失敗すれば、成果なしと判断され、ただ闇に飲まれて玉座を奪われる……! ああ、どうなっているのだ! どうしてだ! 女神まで丸め込んだはずなのに……なぜ、ここで! ここで! ここで!!」
悔しさをにじませながら、それでも打つ手は見つからない。……果たして、この状況で策などあるのだろうか?