表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

506/555

505, 特に、あの人形には気をつけねばなりません。いずれ滅びる運命にあるはずなのに、なぜ粘るのだ? 我らにとっても想定外だろう。あやつは人形ではなかったのか?

 ちょうど時を同じくして、西にも東にも踊らされながら……、ただ、遠くにそびえ立つ「クリプトの塔」を、崇めるように見上げていた者がいた。そう……、玉座を狙いながら、あのディールに尽くす……。


「……ますます状況は悪くなる一方だ。どうして、こんなことに……。昨年の今ごろは、確かな勝利、玉座への道筋すら鮮やかに描けていたというのに! すべて、レッドの勝利だったはずなのに……。」

「はい、承知しております。もうこれは……、仮想通貨に潜む『何か』が、この現実を託してきたのでしょう。やはり……そこには力がある。ですが、それが何なのか、見当もつきません。どうして、これほどまでに動いてしまうのか!」

「まったくだ。数年……いや、数十年かけて動き出すはずの政局が、たった一年で大きく揺らいでいるではないか。どうなっている? これでは、まるで見えない糸で操られている……この私までもが! もしそれが事実なら、大いなる不覚だ。」

「どうか落ち込まれませぬよう。いまは、とにかくこれ以上のマイナスを防がねばなりません。うっかりとした一言すら切り取られ、ネガティブに変換される……、そういう時代でございます。特に、あの人形には気をつけねばなりません。いずれ滅びる運命にあるはずなのに、なぜ粘るのだ? 我らにとっても想定外だろう。あやつは人形ではなかったのか? 立場の差を利用して人形を操っているつもりが……まさか我らが逆に操られているのではあるまいな……。」

「そんなことはわかっている! だが、このまま何もしなければ……。あの聖地絡みを成功させてみろ? あのディール好きのミームは、ずっと玉座に座り続けるぞ。だが失敗すれば、成果なしと判断され、ただ闇に飲まれて玉座を奪われる……! ああ、どうなっているのだ! どうしてだ! 女神まで丸め込んだはずなのに……なぜ、ここで! ここで! ここで!!」


 悔しさをにじませながら、それでも打つ手は見つからない。……果たして、この状況で策などあるのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ