503, わたしの考えた通り…… Aggregated Witnessの出現を防ぐ。そのための量子、これが最有力の解釈ね。
そう。十賢者やフィーと、こうして断片を並べてみれば、どうしても気になるのは……やはり、まだ姿を現していない Aggregated Witnessの存在よ。もしそれさえ防げるのなら、黙示録は完成しない。預言は壊れ、つながれていた糸はついに断ち切られ……わたしたちは自由になれる。
……、それこそが「Web3」なのかもしれないわ。
けれど、皮肉よね。量子は本来、わたしを打ち砕くための刃だった。でも……量子アリスがSHA-256刻印を暴いたことで、封じられていた恐ろしい真実へと接続され、結果として Aggregated Witnessの出現を量子で阻むという逆説に変わった。そうしてやっと自由になれる、というの?
……だめ、それは甘い考え。そう、いつだって……そんな油断が、不意を突いてきたのよ。量子論文には「皮肉めいた罠」が溢れているのよ。安全のために書かれたはずが、古典の暗号を粉砕する刃となる。気づけば「やばいもの」ばかりが積み上がっていた。これは偶然ではないの。量子そのものが、最初から「SHA-256刻印」を暴くために進化してきたようにも思えるのよ。
たまたま量子アリスが「コンジュ姉の従者」だったからこそ、SHA-256の刻印は……まるでわたしに味方するかのように、暴かれたのよ。でも……もし量子アリスが敵だったら? ぞっとするわ。
そのときわたしたちは、SHA-256刻印の存在など知らぬまま、この塔でHODLを讃え、声高に「ディール」を叫ぶあの者と、聖地の影に縛られ続けていたはず。……考えるだけで寒気がするわ。