表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

502/555

501, HODLからガチホに切り替えないと、このままでは……。見えないポジションに操られる「傀儡相場」ですね。

 まあ……なんだろうな。俺だって信用全力は何度もやったけどさ……もちろん短期だ。短期限定。その状態でずっと、何も考えずに持ち続けるなんて……投資でも投機でもないだろう。その点を、量子アリスに伝えてみた。


「ああ、それ……。」

「なんだよ?」

「まあ、似たようなものですね。」

「……そうくるか。」

「でも、リスクは理解してますよね? そこはやっぱり違います。」

「……。」


 そうか……そういう話か。


「HODLから吸い上げれば、事実上……贖宥状を売ったのと同じ状況になりますね。」

「でもさ……。」

「はい、なんでしょう?」

「たしか、仮想通貨って全取引が公開されてるって、フィーさんから聞いたことがあるぞ。売ろうとすれば簡単にばれるんじゃないのか? それなら、常に監視してる奴もいるだろうし。」

「大精霊フィー様……ですか。でも、それは違います。」

「えっ? 違うのか?」

「はい。確かにHODLは『全取引が公開されているから安心』と言い続けています。でも、もうそれ自体がHODLなんです。だって仮想通貨には……すでにデリバティブ、そう、先物があります。先物のポジションなんて公開取引情報とは無関係。外からは見えないんですよ。たっぷり現物を持っている者ですら、裏で巨大なショートポジションを抱えていたとしても、外部からは確認できないのです。」


 ……。


「意味ないじゃん。」

「はい、その通りです。すでにそのあたりは本当に難しくなっているのです。つまり、表では『透明』を装っていても、実際は刈ろうと思えばいつでもHODLから一気に刈り取れる仕組みなんです。」

「……。」


 俺は言葉を失った。公開取引情報で見える安心感なんて、もうとっくに消えていたなんて。見えないポジションに操られる……それが今のHODLの実態だった。


「つまり……HODLではなくて……。」

「はい。HODLからガチホに切り替えないと、このままでは……。見えないポジションに操られる『傀儡相場』ですね。」


 傀儡相場……そういうことか。


「相場で、タダでマネーをくれてやる奴なんていない。そういうことだな。」

「はい。必ず『目的』があります。表でも……裏でも。そして……仮想通貨の場合は、贖宥状が絡んだ『傀儡相場』というわけです。」

「ああ、納得だ。ただ……仮想通貨の場合、そのHODLの仕掛けは、あまりにも大きすぎるということだね。」

「はい。そこが最大の違いです。」


 量子アリスは迷いなく答えた。


「それで、傀儡としての価値もまた、最大に抽出されてしまいます。」


 えっ……? ああ、そうか。やっぱり、そういうことか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ