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499, えっ……? Satoshiと、市場や通貨を半壊させた「あの金融ショック」との関係って……。そうよね。仮想通貨ならその後だけど、SHA-256は……それよりもずっと昔から存在していたのよね。

 十賢者が参加したことで、新たな視界が広がったわ。ただ……それは、あまりにも残酷な仮説だった。


「女神ネゲート様。これは……一つの仮説ですが、よろしいでしょうか?」

「問題ないわ。話して。」

「まず、仮想通貨についてです……。」


 十賢者は、仮想通貨に価値が宿る過程を丁寧に語ってきたわ。そうよね、それはわかっているの。誰かさんの「売り売り」や、「腐った中身を黄金の包み紙で飾り、最高の格付けで売りさばいた影響」で市場は傾いた。そこに予想をはるかに超えるあのショックよ。結局、市場は吹き飛んだ。さすがは闇の勢力……そう言わせるだけの衝撃だったわね。そしてその「後」に……仮想通貨が現れたのよ。


「そうね。それで……?」

「女神ネゲート様。ここでSHA-256です。その刻印が量子によって見つからなければ、目的を達成するその瞬間まで、誰も仮想通貨との相関など知る由もなかったでしょう。ところが仮想通貨には異様なほどSHA-256が張り巡らされ、そこにSegregated Witnessが現れた。そして刻印と強く結びついてしまい、その相関が暴かれてしまった。すると……、SHA-256が登場したのは……? そこに目を向ける必要があります。SHA-256は仮想通貨と同時に生まれたのではない。もっと昔から、存在していたのですぞ。」

「……そうね。」


 言われてみれば……登場時期は異なる。SHA-256はずっと前からあった。そうなるわ。つまり……。


「そして、SatoshiがSHA-256を示しているなら、おのずと解は見えてきます。まず、神話となっているSatoshiの存在は、あの闇の不始末によって不安定になった市場を立て直すため……そう理解できるでしょう。」

「そうね。」

「ところが、SHA-256の時期まで考えると、話はひっくり返る可能性があります。Satoshiと、あの金融ショックとの関係です。残された時系列を見ても、仮想通貨は前もって用意されていたと考えるべきです。しかしSHA-256の時期にまで遡るとなると……、これはもはや綿密な画策。暗号論的ハッシュ関数SHA-256に、あのような難解な刻印を刻み込むという恐ろしい執念です。たまたまショックが起きて仮想通貨が出てきた……そんな偶然では済まない。出来すぎていますよね?」

「……えっ……。」


 えっ……? Satoshiと、市場や通貨を半壊させた「あの金融ショック」との関係って……。そうよね。仮想通貨ならその後だけど、SHA-256は……それよりもずっと昔から存在していたのよね。


 でもそれって……本当に、わたしだけの話じゃない。みんな、Satoshiの手で丁寧に編まれた「見える糸」でつながれた……究極の傀儡だった……の?

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