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462, Sのラウンド35。大精霊の通貨が信用できないなら、仮想通貨を使えばいいじゃない。

 ……このクリプトの塔。わたしの神殿。甘いものを指先でつまみながら、こう思うの。


 それはね……、「大精霊の通貨が信用できないなら、仮想通貨を使えばいいじゃない。」という、HODLの賛美よ。愚かね……でも、それでいいの。


 見ていなさい。フィー、そして量子アリス。あんな量子なんて悪魔、そんな異形を崇拝したツケ……必ず払ってもらうわ。


 その量子の目的が、創薬って? 冗談はおやめなさい。量子が最初に牙を剥くのは……「大地を切り裂く大爆発」か「暗号破り」よね? どちらかでしょう? そうよね? これを否定できるのかしら? もし否定できるのなら、この場で謝って差し上げますわ。ええ、地べたに這ってでも……何度でもね。


 量子による経路最適化……それが大爆発の設計図を研ぎ澄まし、そして、ブロックチェーンの鎖を断ち切る。あなたたち……いったい、何がしたいのかしら? これで……みんな、幸せになれるのかしら? ……そうよね?


 女神ってね、みんなを幸せに導くために、ここにいるのよ。だから……量子なんて、論外。……わかったかしら?


 さて。それで、今日は特別。「光円錐にヒストリーを刻む上位リーダーの十賢者」を、この「クリプトの塔」に招いたのだから。そう……、わたしはかつて、十賢者に対し、愚行を犯した。でも、彼らは……心広き十賢者は、許してくださったのよ。女神といえど、過去の狂気は許されない。だから、わたしは変わったの。HODL。そう、HODLよ……これが、わたしの信念。


 それでは……、十賢者がここに到着するまで、あなたの「ディール」とやらを拝見しましょうか。」


「なんだ、女神よ。そうか、俺様の手腕を学びにきたんだな?」

「ええ、そうよ。」

「ははは、そうかそうか。それなら見せてやろう。俺様を『タコ』と呼ぶ連中は、何も分かっていない。勝負は、最後に勝てばいい。どんなに強いカードを持っていても、キングを取られたら終わりだろ? それすら理解できないから、俺様を『タコ』呼ばわりするんだ。」

「それで……、初めは強気に出るのね?」

「そうだ。いきなりクイーンで攻め込まれたら、誰だって焦る。とにかく攻める。攻めて、攻めて、相手の守りを崩す。焦りが生まれたら、あとは簡単だ。ディールで全部、いただく。量子? 笑わせるな。あんなものに踊らされている連中に、こんな手は打てない。……まさに、そういうことだ! とにかくだ、クイーンをぶっ込めば、相手は混乱する。セオリーなんざクソくらえだ。大事なのは、ファイトだ。攻めろ、攻めろ、攻めろ! ファイト、ファイト、ファイト!」


 へぇ……そんなふうにディールするんだ。面白いわ。


 ……そうよ。ディールよ。量子だって、裏でいろいろ隠しているわ。だから……これが、わたしの答えよ!

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