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460, 最大「採掘」可能価値その八。やはり、自然数は美しかったのです。

 フィーさんは、例の「3n + 1」を仕上げるために、ひとまずそこで区切りをつけた。どうやら「さらに追加」で、かなり「面白い性質」まで、見つけているらしい。……まあ、俺には縁のない話だよ。詳しくは別途、「お堅いプラットフォーム」で仕上げるそうだ。


 そうそう……あの嬉しそうなフィーさん。あれは、もう、どうにもならない。「やはり、自然数は美しかったのです」……その台詞を、何度聞かされたことか。……はぁ。


 ちなみに、量子艦アリス絡みの暗号論的ハッシュ関数の話は、また後日だという。


 さて、そんな話は、もう決まっているのさ。より複雑な内容……、暗号論的ハッシュ関数に潜む偏差、採掘構造や確率、そこから派生する脆弱性のことだろう。……正直、俺ですらこう思う。このまま放置したらヤバい。さらに、そこに直接、カネがぶら下がっているので、なおさらだよ。


 そして、量子アリスは少し変わった。今回の件に直接的な原因があったわけではないが……ネゲートが、あんな事態に陥ったせいだ。


 ……そう、あれは衝撃だった。これが、この時代を任された女神であるネゲートの力なのか。そう思わせるほどに。


 あれからわずか数週間。なのに、この地の中心に……「クリプトの塔」と呼ばれる神殿が、天を貫くようにそびえ立っていた。その表面では、無数のHODLの文字が、光の紋様とともに脈打っている……、まるで生きているかのように。あの「タコ」と呼ばれ始めたミームな精霊のタワー? そんなもの、足元にも及ばない高さだ。……なぜ、こんなものを建てたんだ。ああ……。


 あと、HODLって……? なんだ、それ。HOLDじゃないのか? ホールドでしょ、普通。……いや、あいつのことだ。きっと何か意味があるんだろう。……いや、まさか……。


 というか……あと、「タコ」って何だよ? って話だよな。どうやら「ディールを仕掛けるくせに、肝心な場面で尻込みする」……そこから付けられたあだ名らしい。まったく、センスありすぎだろ。ははは。


 そして、その神殿の主は、もちろんネゲートだ。誰もが知っていた。だが、誰も声に出せなかった。塔の頂から、俺たちを見下ろしているという。


 しかも……なんだよ! なんと……情報統制が始まった。特に、量子と暗号の話題は、すべて厳しく監視されているという。許されるのは、HODLの賛美と……なぜかショアの話題だけ。……何やってんだよ、ネゲート……!

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