表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

459/566

458, Sのラウンド34。量子の勢力は、「何を考えているのかわからない連中」という烙印を押されるわよ。……あら、その烙印、王の額に押してあげた方が似合うかしら?

 わたしは今、この「偉大なる飲み物」を……、一気に飲み干して見せたわ。


「女神よ……やはり俺様の目に狂いはなかった。本物だ。」

「あら、甘いものは得意よ。」

「そうかそうか! それを豪快に飲み干せる……まさしく、この時代を任されるべき女神だな!」


 あら、褒め言葉なんて……この時代では珍しいわ。ちょっと、嬉しくなるじゃない。


「ほんと、このようなもので小さな幸せを感じながら、あとはわたしを信じてHODLしていればいいのに……。そこで、どうして量子なの? それがあるのよ。」

「量子だと?」

「そうよ。闇の勢力……情報分野で『王』と呼ばれているあれらが、夢中になって量子ばかり追っているのよ。」

「ほう……それはよろしくないな。その王とやら、俺様は何度もファイトしてきたからな。」

「へえ。本当に『ファイト』なのね。」

「女神よ、そこは迷うことなくファイトだろ! あいつら、ロクでもないぞ。俺様や女神のことを、タコとかイカとか、平然と流行らせる連中だ! 情報分野を握ってりゃ、それくらい簡単なことだろう。」

「うん……そうね。」


 ねえ、人や精霊の第六感……直感って、意外と鋭いのよ。ここで量子が稼働する「量子時代」が訪れて……本当に、幸せになれると感じる? そこが、女神であるわたしが、この時代に問うべき点よ。なぜならその目的は、本当に「幸せ」に直結しているの? 率直に言えば、いきなり「グローバーのアルゴリズム」で暗号を切り裂く……そんな計画ばかり考えているのでしょう?


 間違いなく、それよね。なら、もう一度問うわ……、その確率振幅、幸せに収束すると思う? よく考えてみて。この時代に、本当に量子なんて必要なの? その影響力を考えたら……現状、幸せにするより、地獄に突き落とす確率振幅の方が、はるかに高いわよ。


 そして、幸福についてよ。あら、それは古典が、地獄の面を「見せなかった」だけ。でも、量子が振るサイコロは違う……。すべての面を同時に見る。その結果? 地獄の面ばかりに目が合って、そこに収束するのよ。


 つまり、そうね……。一様な出力が「量子的に」確認できた、例えば、暗号論的ハッシュ関数の量子版……そう、「量子暗号論的ハッシュ関数」を、みんなで力を合わせて編み出して、標準化して、十分に普及させる。そして、その後で、量子を公開する……順番的には、これよね? 違うかしら?


 そうでなければ……量子の勢力は、「何を考えているのかわからない連中」という烙印を押されるわよ。……あら、その烙印、王の額に押してあげた方が似合うかしら?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ