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455, 最大「採掘」可能価値その四。敗れたふりをする王と、量子の刃……グローバーのアルゴリズム。

 平方根という策略に惑わされ、わたしたちは忘れてしまったのです。暗号の安全は、一様性という前提の上に立っているということを……。


 その前提が崩れたとき、刃は変質する……もはや平方根など必要とせず、量子の刃……グローバーのアルゴリズムは、暗号の心臓を一突きに貫く。


 ……これは寓話ではありません。敗北を装う王と、その懐に潜む量子の刃。それは、静かに研がれた策略。もちろん、許されざるもの……だが、この地には善悪など関係ないのです。


 その王は、かつて情報分野で世界を征服した力を持っています。しかし今、敗北を演じている。「ブロックチェーンに負けた」……そう信じ込ませるために。


 そして、民は狂喜する。


「ついに勝った!」


 勝利の宴は続く。その喧噪の中で、王は絶望を浮かべながら、心の奥底で、笑みは静かに滲んでいた。その笑みが意味するものを、まだ、誰も知らない。


 やがて、処刑台が整う。群衆の罵声が渦を巻き、斬首の刃が振り下ろされる……その瞬間。


 王の懐から閃く光。グローバーのアルゴリズムが炸裂するのです。暗号という秩序を切り裂き、民は血の雨に沈む。


 そして王は、静かに呟くのです。


「いやはや……なかなか愉快な余興であったのう。」


 ……、……。


 もちろん……こんなの、正気ではないのです。でも、なのです。これが現実になる可能性を、誰が否定できるでしょうか。このままでは、確実に……ブロックチェーンは、この運命なのです。

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