453, Sのラウンド32。暗号は、この地を見捨てない。仮想通貨に使われる暗号論的ハッシュ関数に、たとえ量子が襲いかかろうとも……二の百二十八乗の壁があるわ。絶対の秩序、揺るがぬ救い。
落ち着くのよ……。暗号は、この地を見捨てない。仮想通貨に使われる暗号論的ハッシュ関数に、たとえ量子が襲いかかろうとも……二の百二十八乗の壁があるわ。絶対の秩序、揺るがぬ救い。HODLする者のみが、最後の光を手にするの。
量子アリス。調子に乗り過ぎよ。量子だから何? その干渉回数を、わたしが知らないとでも? 「量子なら即座に答えが出る」……、笑わせないで。
正解を引き当てるには、オラクルに祈るだけじゃ足りない。確率振幅を、何度も何度も干渉して積み上げなければならないのよ。それが……量子の限界よ。
そして聞きなさい……出力が二の二百五十六乗を誇る暗号論的ハッシュ関数。量子で干渉を重ねる回数は、その平方根、二の百二十八乗。そう、桁違いの絶望。量子だって、この干渉回数を実行する? 無理よ。安定した古典ですら夢物語なのに、干渉ノイズに怯える量子で? ははは、笑えるわね。
冗談じゃないわ。何が「量子艦アリス」よ。論理で詰められたら沈黙するくせに。まあ、わたしは慈悲深いから言ってあげる……はやく頭を切り替えて、HODLを信仰しなさい。わかったかしら?