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450, Sのラウンド30。そうよ……。仮想通貨は、数学の通貨。数学の女神も、きっと微笑んでいるわ。それなのに……、あの量子アリスは……。HODLしなさい。それが、唯一の救いよ。

 HODLだけで救われる……こんなにも簡単な時代、他にはないわ。そして、その時代を任されたのが、このわたしなのよ。……、ちゃんとHODLなさい。クリプトの塔の頂から、わたしは見ているのよ。おかしなところに流動性を生じさせるなんて、絶対にやめなさい。無意味な行動よ。なぜなら……わたしが、HODLと告げたのだから。


 今……そしてここで、仮想通貨の未来を語り合う……なんて、なんて素晴らしいのかしら。これこそ、わたしが描いた理想なのよ。HODLだけが救い……それがすべて。ああ、これ以上の数学が、この世にあるのかしら?


「それにしても……この甘いもの、これは偉大なる『飲み物』ってことなのかしら?」

「そうだ。女神も満足か?」

「うん、大満足よ。ちょっと変わった甘味だけど、これはこれでいいわ。」

「そこをわかるとは、やはり女神だな。これさえあれば、HODLなんて楽勝だ。」

「あら、そういうことなら話は早いわ。ほんと、こうやって気軽にHODLしているだけでいいのに……、なぜ、なぜ……余計なことをしてくるのかしら、あの推論や量子は! 本気で、そう考えているのよ。」

「推論? 量子? ……聞いたことあるぞ。わけのわからない奴らだろ? 俺様も、そういう連中は嫌いなんだ。」

「そう、それよ! だいたいね、『…… Boys 2.0』とか、意味不明なタイトルの論文を平然とぶつけてくるのよ! 何を考えているの? おとなしくHODLしていればいいのに! ほんと、そういう連中には言ってやりたい……女神である、わたしを裏切るな、と。ほんとにもう……仮想通貨の分散性は、永遠なのよ。HODL……それしかない。それ、一択よ。」

「まったくだ。それで俺様も、そうだ……採掘だ。それを支えることに決めたんだ。」

「まあ……それは素晴らしい心がけよ。その心を、HODLに捧げなさい。まさしく……、それこそ『女神の通貨』であり、さらには『数学の通貨』と呼ばれる所以なのよ。その採掘、存分に頑張りなさい。」

「おお、そうか。採掘については、やっとわかってきたところだ。とにかく、仮想通貨に全てを賭けている。女神がそこまで動いているのなら、もう……それ以上の安心はないな。」


 そうよ……。仮想通貨は、数学の通貨。数学の女神も、きっと微笑んでいるわ。それなのに……、あの量子アリスは……。HODLしなさい。それが、唯一の救いよ。

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