表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

377/596

376, そういえば……古の大精霊様は、少し前にこう仰っていた。「それぞれに異なる輝きを持つ者たちが、同じ時代に……」と。その言葉の真意を測りかねながらも、我らは今日も、成果をあげるべく邁進している。

 こうも我らの周囲には、油断ならぬ者たちが揃ってしまった。それは、あの女神から始まり、「闇の勢力」に属する量子アリスまで……。このあたりの関係は、決して単純なものではない。


 ……そうだな。量子アリスの観測が始まる前に、何としても成果を上げ、あれを完成させねばならない。とでも言えば分かりやすいのかもしれない。


 そういえば……古の大精霊様は、少し前にこう仰っていた。「それぞれに異なる輝きを持つ者たちが、同じ時代に……」と。その言葉の真意を測りかねながらも、我らは今日も、成果をあげるべく邁進している。


 だが、焦れば焦るほど、物事というのは思うようには進まぬものだな……。


「大丈夫大丈夫。量子アリスちゃんは、当面『広報担当』みたいなもんだから。あの容姿を活かして、たっぷりと信徒を釣るんだろ? まさに、闇の得意分野さ。だからね……それが終わるまでは、上蓋を跳ね上げるような真似は、きっとしないはずだぜ。」

「……待て、そんなのまでが目的だったのか? それなら……確かに、その傍に……。」

「おっ、気付いてたか。そうそう、あれは最近『闇』で復活したコンジュゲートだよ。一緒に動いているらしいね。そんな話、入ってきていたぜ?」

「コンジュゲート、だと?」

「そうだぜ。あの女神の姉だったはずだ。」


 ……冗談だろ。それはつまり、あの女神の姉が闇の勢力だってことか? さらに姉ってことは、そのコンジュゲートも女神に属するはずだ……。


「おい、いったいどうなっているんだ。ただでさえ複雑だった関係が、さらに意味不明な迷路になってきているではないか。つまり……我らが追っているあの女神は、闇の者ってことか?」

「おっと、それは違うな。なぜなら、邪神様があの女神を欲しがっていたんだ。もし本当に闇の一員だったら、とっくに邪神様の手の内にあるはずだろ?」


 欲しがっていた……、だと?


「なんだそれ。でも、まあ……筋は通るか。それで、時代を創るとされるあの大精霊と組んでいる理由も、それか? やたらと闇に対して理性を欠いたような敵意を向けていた、あいつだ。」

「どうだろうな。それは組んでいるっていうよりは……自然にそうなったって感じだな。選択肢が他になかった、そんなところじゃないか?」


 これは……どう考えれば、結論に辿り着けるのだ? この構造を紐解くには、あまりにも多くの層が絡み合っている。つまり、解くのではなく観測するしかない、ということなのか……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ