371, な、なによ……。女神としての覚悟が足りないって、そこまで言う? たしかに、これで闇が毎月のように量子を投下してくるのは、もはや決定事項みたいなものよ。でも……それとこれとは、話が違うでしょ?
それから、コンジュ姉がこの件についてどう考えているのか……その話に移ったの。それで、量子アリスったら、どうして……。わたしだって、そういう面は直そうと努力しているのに。それなのに……。
「女神ネゲート様、あなたって……本当に、いつもそうです。もしこれがミームだとか、最大抽出可能価値の危機だったら……なぜかすぐに動きますよね? でも、今回のこれは? どうせ、このまま放置でしょう? 女神様の提灯持ちたちに『まったく心配はない』って連呼させて……終わり。きっと今回も、そう……ですよね? 量子アリスは、もうそこまで理解していますよ。」
「なによそれ? わたしだって……。」
「……女神ネゲート様。ただの精霊である量子アリスが、女神様に対して、こうして口にするのは、本来なら……その場で断罪されてもおかしくない行為ですが……、あえて言います。今の女神様は、『決断を下す』と言って候補だけを並べたきり、実質、何も動いていない。この状況下で、それでは……女神様ご自身の『覚悟』が足りないように、量子アリスには感じられるのです。」
「な、なによ……。女神としての覚悟が足りないって、そこまで言う? たしかに、これで闇が毎月のように量子を投下してくるのは、もはや決定事項みたいなものよ。でも……それとこれとは、話が違うでしょ?」
……そう。量子アリスが、そこまで言うのなら……。わたしは女神として、それを受け止めるわ。でも、忘れないで。わたしにはわたしのやり方があるの。たとえ闇が毎月攻めてきても……、屈するつもりはないわ。
「いいえ、それとこれは同じ話です。今回もまた……楕円曲線なら大丈夫などと、根拠の薄い理屈を並べて終わる気なのですか? でも、それを繰り返していたら……やがて、相手は『何もできない』と見切ってくる。そして次は、スケールダウンした環境での実証……それが映し出された現実として突き付けられることになります。それは先日、『量子アニーリング』で女神様が味わった痛み。それでもう、十分に学んだはずではないのですか?」
そこまで言い切るなんて……。でも、そんなに簡単に通るような話ではないわよ……。これが、闇ってやつなのかしら……。




