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369, ……なによ、それ。要求される量子ビットの数が減っている……。そんな、本来なら二乗の壁があるはずなのに……。つまり、平方根すら超える……何か。もしかして、もう「境界」は破られたの……?

 ……。どうして、その量子アリスの隣に、フィーまでいるのよ? つまり、また量子で何かあったのね? もちろん、何かがあったから、フィーまでこうして呼ばれたのでしょう? それで、聞かされたわ。


 まさか……。あの難解な量子演算……、あの有名なアルゴリズムを実行可能にするかもしれないという、新たな手法が見つかった、ってことなのね?


 そして、気まずそうにしていた量子アリスから、ようやく今回の核心が見えてきて……。


 ……なによ、それ。要求される量子ビットの数が減っている……。そんな、本来なら二乗の壁があるはずなのに……。つまり、平方根すら超える……何か。もしかして、もう「境界」は破られたの……? やはり、確率振幅を犠牲にすることで、必要な量子ビット数を減らす方向で調整している、ということね。……まあ、そうなるわよね。


 しかも、それ……。以前、コンジュ姉から指摘されていた「領域の変換」に対する近似とかに加え、そのさらに先……それを「超えるための工夫」だったなんて……。


 秘密鍵と公開鍵の構造を見れば、最も犠牲にしてもいいのは、確率振幅だって、すぐにわかるもの。……、そんなのは初めから十分に理解しているわ。なぜなら、量子から得た解が正しいかどうかを古典側で瞬時に判断できる構造なら、あとは試行回数を高めて、一度でも当たればいい。そういう考えが、十分に通用してしまうのよ。


 ……それにしても、早すぎるわよ。本当は、すでに準備してあったものを、ただ継続的に出してきているだけ……かもしれない。でもさすがに、それは違うはず……。それとも、そう祈りたいだけかしら?


 それでも……やっぱり、ちょっと変なのよね。こんなにも連続して、こんなにも速く……。そういうのって、普通は年単位で調整されるものでしょう? それなのに、最近はまるで、月単位で次から次へと……。


 ……ちょうどいいわね、フィーも揃っていることだし。今回の影響範囲、正確に把握しておきたいわ。状況を、丁寧に観察しましょう。

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