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366, この時代を任された女神様は、仮想短冊の通貨に、夢中になり過ぎていないか? ……そんな記事の見出しを目にして、動揺したわ。そうね、冷静に考えれば、ほかにもやるべきことは山ほどあったわ。

 今朝は、フィーと一緒に思わず目を丸くするような事態に巻き込まれたわ。いよいよ、わたしにもスキャンダルってやつかしら。


 そう……。妖精が意気揚々と書き出したらしい……、ある記事の見出し。こう書かれてしまっては……もう、何も言い返せないわ。


 それは……。この時代を任された女神様は、仮想短冊の通貨に、夢中になり過ぎていないか? ……そんな記事の見出しを目にして、動揺したわ。そうね、冷静に考えれば、ほかにもやるべきことは山ほどあったわ。今は、それらを見失わないようにしないと。


「あ、あの……。フィー……これは、仕方ないのよ。」

「……この件については、わたしも、なのです。」


 そうよね……。でも、わたしはそれで……崩れかけていた構造が修復され、その不確実性から派生したすべてが、ようやく収束していくものと考えてしまった。……ところが、そんな単純な話ではなかった。


 そう……。あのような秘密鍵の構造が露わになった以上、血が流れているあの件だって……、止まるはずもなく、いまだ継続しているどころか、むしろ激化していた。


 いつも、終わるふりをしては、すぐに終わらなかったことにされる。いったい、それは何に対する取引なのかしら? 単に、わたしなどに「経済的な余裕」を見せつけるための戦術なのかもしれないわ。


「フィー……。しっかりと、他も見ていかないとね。」

「はい、なのです。そこで浮上したのが……やはり、あの『大精霊のきずな』に対する信用の低下です。もともと、最大限の圧力で蓋をして、利率がある水準を越えないように、極めてシビアな調整が施されていました。そのあたり、もちろんご存じですよね?」

「うん、当然よ。」


 それ……。そんな状況なのに、著名な精霊はこう言っていたわ。


(これは、宇宙の予定調和の中での些細な出来事に過ぎない。したがって、心配する必要がない事の一つだ。)


 ……などとね。それでいて、「この仕組みが何かも理解していない方々」に、たっぷりと買わせていた気がするわ。


 もう、本当の意味で「壊れたノルム」が崩壊の段階に入ってしまったのね。局所性とか非局所性とか、確率の揺らぎなんて言ってる場合ではないわ。本当に、対策しないと……。


「それで……やはり、『そこまで心配することではない』という解釈にはなっていたのです。でも、それは……他に言いようがなかった、というだけなのです。」

「……それは、わかっているわ。実際、あの有名なショックだって……最後の瞬間まで、誰も予測できなかった。」


 ……。気を引き締めて、そちらにも対応していく必要が出てきたわ。本当は、今はそれを「見ているだけ」で済ませたかった。でも……仕方がないわね。たしか……大規模な償還も、もうすぐだったはずよ。

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