358, じっと、フィーを見つめる。……どうやら、うまくいっているみたいね。それに対して……ううん。わたしも、もっと自信を持たなきゃ。
じっと、フィーを見つめる。……どうやら、うまくいっているみたいね。それに対して……ううん。わたしも、もっと自信を持たなきゃ。
あれから……。フィーの方でも、案外いい方向に進展があったみたいね。あの相手をうまく丸め込んで、きっちりと良い条件を引き出してみせたなんて、さすがよ。案外、フィーって……ディール、得意なのよね。まあ、話の長い精霊として有名だし、そうなるわよね。
さて。わたしの方も、あれからシィーに頼んで、例の相関の調査をお願いしてるところよ。少しだけ「弱めの生成構造」にしてみて、そこからどんな変化が得られるのか。……あれだけ推論にのめり込んでたんだもの、この程度は楽勝よね? あれだけ飲み散らかした分、働いてもらわなきゃ。
……それにしても、案外、わたしも順調よね? だって、コンジュ姉は闇だけど……、その従者である量子アリスを介在にして、わたしに協力してくれるし。古典的な手法での調査なら、推論領域で最高クラスの演算能力を持つシィーがいる。
これって、そう。わたしも、やっぱり強運なのよ。運を味方につけられないようでは、女神にはなれないわ。そして、わたしのミームも、結果的に「ミームガン」だったとしても、その構造自体は安全だった。
もう……。あのミームガンが、現時点では量子的にも古典的にも「安全」だった、なんてね。これも……なんとも皮肉な話よね。
まあ……。こんなことを広めて、「安全なら、毎日ミームを思う存分放出しよう!」なんて話になっても困るし。……このあたりで、やめておきましょうか。
……さて。何をしようかしら。そうね。こんなふうに時間を味わえる瞬間も、やっぱり貴重だった。あの休暇のあと、少しずつ余裕が戻ってきて、ようやく……わたしらしさも、戻ってきた気がする。自分を見失っていては、何をやってもうまくいかない。それだけは、確かよ。




