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348, 結局……そうなるわね。相手は強気。話し合いなんて……、ただの飾り。相手が気にするのは結局、カネの流れだけ。それで……それだけは、十分に確保できているってことかしらね。

 ……偉大なる食べ物って、これのことだったのね。まあ……ちょっと驚いたけど……。そのあたりは、後で美味しくいただくとして、今は……大事な話があるわ。


 それで……。どうやらフィーも冷静で、ちょっと安心したわ。目の前に並べられた甘いものに夢中になってたら……、もう、どうしようかと思ったけど……、そんなのは杞憂だったわね。だって、大精霊だもんね。そのあたりは、しっかりとわきまえていたので……良かった。


 それで……まずは、ちょっとしたディールからの話になってたわ。うん、それについては、わたしは傍観の立場よ。それらは、各地域間による交易などよ。それについては、女神が関与する範囲のことではないから。


 ……女神としてのわたしが任されているのは、もっと大局的な状況のはずだった。それなのに……今のわたしが置かれているのは……、あんな状況だったなんて。


 フィーは、いつものあの雰囲気で、淡々と進めていく。その様子を見ていて、ようやくわかった。……そろそろ、わたしの出番かしら。


 とはいえ……ここで何を話したところで、何かがすぐに変わるわけではないわ。もし、わずかでも前に進める可能性があるとすれば、それは、今後の在り方について、あらかじめ予定を立てておく……その程度のことよね。


 ……どうせ、あのミームのラグプルの件なんて、適当に流されて終わるでしょうし。もう、本当に……なんでここで、そんな話題が出てきてしまうのよ。建設的どころか、観測そのものがコラプス的になってしまっているわ。


 あんまり邪推はしたくないけど……結局、この「新しい仕組み」に対して、態度が軟化したのも、そんなラグプルに、旨味を感じていたから……なんてこと、ないわよね?


 ……つまり。そういうこと、なのよ。


 それでも……、精一杯の笑顔を振りまきながら、淡々と話を進めていったわ。……そこは、大丈夫よ。ちゃんと、こなせるわ。でも、気になったのは……また、燃料代で揉める流れになっていること。


 それについては、「ある額以上は取引を制限する」、そんな制裁案も出始めてるらしいけど……。そんなの、相手だってとっくに分かっているわよ。当然、その対策として……ううん、違う。きっと「もう用意はできている」とだけ、静かに答えてくる……それが、怖いのよ。


 結局……そうなるわね。相手は強気。話し合いなんて……、ただの飾り。相手が気にするのは結局、カネの流れだけ。それで……それだけは、十分に確保できているってことかしらね。


 とりあえず……荒波を立てずに、無難に終えたわ。それでも……壊れかけているあの通貨。その部分準備に、戦略的に組み込もうとする意向は、やはり見えてきたわ。


 それは、わたしも……フィーも、想定の範囲内だった。でも……まずは、チェーンのあの構造を見直さないと……。その先には、進めない。それで……なんか、ね。そこに組み込まれるのを、じっと待っている……そんな気がしてならないのよ。


 なぜなら、わたしを叩き落とすには、「あの構造」のまま、この時代を完全に支配している「あの経済圏」に、潜り込む必要があるからよ。そして……、ヒートマップで確認された「赤の構造」が、その経済圏の中に溶け込んだのを見届けた後、一斉に……そんな予感もしているのよ。

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