表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

315/568

314, そうだな。とりあえず……量子とかはよくわかんねぇけど、「カネ返せ」の方は全部、俺に任せろ。つまり、……俺を先に通してくれてもいいんだぜ?

 わたしは、思い切って……あいつに申し出たの。いったん、女神とのコントラクト……「担い手」を解除してほしい、って。もう、これしかないわ。全部、わたしが悪いのだから……これは、しょうがないのよ。


「……俺じゃ、力不足……ってことかな?」

「ううん、違うの。こんなことになってしまって……もう、これしかないって判断したのよ。」

「ああ、そんなことか。それなら別に気にすることないよ。」

「えっ?」

「だってさ、採掘の精霊のやつらだって、結局は『欲』だろ? チェーンより欲が勝っただけ。で、採掘しかできないものを大量に抱え込んだ。そうだよな? だったら、自分が悪いでいいだろ。なんでそれで、女神に『カネ返せ』になるんだよ?」

「……、あんた……。」

「それと、出金不能の件な。これもさ、女神にカネ返せってのは、どう考えてもおかしい。だって、あんな高い利率で、大事なもんを預ける気になるか? 元トレーダーの感覚から言えば、年で四パーセントでも十分に高い水準だ。それが何? 二桁が『普通』とか言われてんだろ? ……まったく、何やってんだよ、ほんと。」

「……。」


 わたし……、まだ、何とかなるのかな。……そんな気に、させてくれた。


「そうだな。とりあえず……量子とかはよくわかんねぇけど、『カネ返せ』の方は全部、俺に任せろ。つまり、……俺を先に通してくれてもいいんだぜ?」

「ちょっと、それって……?」


 もう、わたし……。その嬉しさは、言葉にならなかった。この先、まだまだラグプルだって続くかもしれない。それなのに……こんなふうに、誰かが隣にいてくれるなんて。


 うん、わたしはわたしで、できることをやるわ。それが、せめてもの……、わたしの「答え」だから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ