313, すでに「動ける量子」は存在する。それは、多数の解から一つを選び出す……その量子演算は、もう活動を始めている。そう……もう、「始まっている」前提で動かないとダメね。
チェーンがこんな状況のさなか……、あのミームな精霊が、またよ。そうね、予想はしていたけど……今度は「為替のマニピュレーション」を叫び始めたわ。でも、それって……シィーが「時代を創る大精霊」だった当時、「買いの容認」なんて、おかしなことを言い出したのが事の発端でしょう? つまり、実際には他の全プレイヤーは「マニピュレーションされた側」だったはずよ……。でも、あの精霊に今さら何を言っても、もう聞く耳なんて持っていないわね。みんな、諦めているわ。
それで、もう、いいわ。……これについても、女神であるわたしの責任。情けない気持ちでいっぱいよ。でも……逃げるわけにはいかないの。だけど、そのうちこう、言われてしまうわよね。「たしかにマニピュレーションは悪だ」、でも「マニピュレーションのあとにラグプルするのは正義」……、なんていう、皮肉な矛盾を、まるで映し出された「現実」のように語られてしまうわ。
とにかく……、わたしはこんな時代の女神よ。すでに「動ける量子」は存在する。それは、多数の解から一つを選び出す……その量子演算は、もう活動を始めている。そう……もう、「始まっている」前提で動かないとダメね。
そこで起きた量子シビルの、あの行動よ……そう、「闇の勢力」って、見える形で挨拶したがるのよ。あの時も、そうだった。わざと値を吊り上げておき、時代が切り替わる「その瞬間」に叩き落としてきた。あれも、挨拶だったわ。
最初は当たり障りのない小さな場所で、動きを見せる。一部の者を引きつけておきながら、その隙に、他を静かに侵食していく。……たしかに、それは闇が好むやり方ね。
そして、わたしは……、あいつに、どうしても伝えなきゃいけないことがあるの。もう、わたしの近傍は危険すぎるわ。腐った精霊による出金不能の影響で、「カネ返せ」なんて言葉すら飛び交ってる。
それだけじゃない。今や採掘だけじゃなくステーキングにまで量子脆弱性が拡がり……、挙げ句の果てには、「ラグのアルゴリズム」までが忍び込んできた。
もう、これ以上……あいつを巻き込むわけにはいかないわ。