300, えっ? なにそれ……。今日からラグプルし放題になったって……? それで、「これ以上、女神はラグプルの心配をする必要はない」って、どういう意味よ?
いよいよ、フィーからイーシーリカバーの話が切り出された。わたしも、その量子脆弱性について、じっくり議論しようと身構えていたのに……。
なによ、また? ……また何か起きたの? どうなってるのよ……。
そこへ……コンジュ姉が驚いた表情を浮かべて、わたしの前に現れたの。こんなタイミングで、そんな顔されちゃったら……。まさか……わたしのミームに、さらなる何かが起きたの? ……、不安で、胸が締め付けられそうだった。
「あら……、お取り込み中だったかしら?」
「あ、あの……女神、コンジュゲート様。そ、その、なのです……。」
「ちょっと、なによコンジュ姉? まさか、また何かあったの……?」
「そうよ。今、闇の方から情報が入ってね。びっくりしたわ。だって、『ラグプルし放題になった』って聞いたから。」
「えっ……!?」
「さらには、『これ以上、女神はラグプルの心配をする必要はない、安心せよ』……そんなことまで、平然と言っていたらしいの。」
えっ? なにそれ……。今日からラグプルし放題になったって……? それで、「これ以上、女神はラグプルの心配をする必要はない」って、どういう意味よ?
あまりに唐突で、信じがたい内容に……、思わず、フィーと顔を見合わせてしまった。なによそれ……。冗談じゃないわ……。
「それ、どこで……誰が言ってたのよ?」
「詳細は、まだよ。でも……『止める手段がない』って。」
「……どうしてよ?」
「だって……言い出したのが、あの精霊らしいのよ。もう……ラグプルを調査する専門の精霊なんて、いらないって。今日で解散だと。……そうやって、切り捨てたみたいなの。」
「……。」
それって……あのミームな精霊よね? そんな……すでに「逃げ足の速そうな精霊」が揃ってる中で、そんな事を言い出したら……! このままでは、一発狙いの餌場と化してしまうわ……。
「コンジュ姉、それはまずいわ。」
「そうよ。さらに、クジラの一部も、すでに逃げ出してるって。……当然、そうなるわよ!」
「……。」
どうして……。どうして、こうなっちゃうのよ……。でも、なんとか……食い止めないと。わたしが、女神として……。




