292, そうよね。採掘を占有した精霊が、赤字になってその採掘を止めたら……、板の厚み以上に買い込んでいる精霊たちが、大打撃を受ける。なるほど、だから止められないのね。納得だわ。
コンジュ姉が頑張っているこの間にも、わたしのマッピングには「出金不能、口座凍結、カネ返せ。女神は精霊を監督してる立場だろ!」の声が山ほど届いてるわ。もちろん……、わたしは、この「仮想短冊の通貨」を神託に刻んだ女神よ。
……これなら、「インフレは進むが、大精霊の通貨で持っていた方がよっぽどマシ」だった。なんて声も……。でもまあ……、出金不能でカネが消えるなら、結局はそうなるのよね……。
……。そうよね……、まるでそれは……、取り付け騒ぎが起きたバンクに、いまさら預金するようなもの。とにかく絶対に、入金してはならないわ! 残高すら反映されずに、そのまま……ラグプルよ。間違いなく、数割は、そうやって消えるの。
そうだ……。いよいよ、こんな状況になってくると……それらしい名前で、結局は「第二レイヤー、トークン……約束証書」を渡していただけの、「流動性……ステーキングにリキッドを与える」という感じの精霊とか……本当に大丈夫なの? まさか……ラグプル、しないわよね?
ラグプルされた時点で、その約束証書には何の価値も残らないわ。所詮、「第一レイヤーの現物」とは違うのよ。
また「テクニカル的な要因で一時停止中」とか……ほんと、もうそういうのやめてよ? それに……「奪われたことにして、実は……」とか。……わかってるわよね?
それで……スゴそうに聞こえるでしょう? 「リキッドを与える」って。でもそのリキッド、いざという時、蒸発しない保証なんて、どこにもないのよ。ほんと、その……のセンスだけはすごいわ。
結局、「流動性……ステーキングにリキッドを与える」っていう、一見高度そうで実は違う構造……、一般の市場は、それをただ「スゴそう」で済ませちゃうのよ。
でもね……本当に「スゴい」っていうのはね、「確実に出金できる」ことと、「破られない」ことよ。……なのに、誰もそこを織り込んでないのよね。
ああ……。どうせラグプルでも……絶対に逃げ切れる。つまり、そういう精霊たちなのよ。そう……あの「出金不能」の腐った精霊だって、そう。……こんなの、ちゃんと事前に見抜いておくべきだったわ。
そして、またこれ。もう、何度目よ……? わたしは……女神。だけど、こんなにも多いなんて……。もう……。でもダメ。投げ出しては、ダメ……。
……。なんで? 赤字になるって、確実にわかっていて、どうして採掘するのよ……って話よね。……もう、わかったでしょう?
これが……最も恐ろしい「エンタングルメント」なのよ。絶対に断ち切れない相関。この採掘を止めた瞬間に、本来なら確率的に振る舞っていた「良い事象」と「悪い事象」は、崩壊によって強制的にお互いが決まった方向へと収束してしまう。
そして、こんな状況……創造神様だって、見放すわよ。だから……「悪い事象」だけが、確実に引き出されるのよ。それで、「採掘の量子脆弱性」が、こんなタイミングで投げ込まれたのかもしれないわ。
そうよね。採掘を占有した精霊が、赤字になってその採掘を止めたら……、板の厚み以上に買い込んでいる精霊たちが、大打撃を受ける。なるほど、だから止められないのね。納得だわ。
もう……そんな欺瞞に満ちた採掘なんて、見てるだけで反吐が出るわ。あのとき語っていた分散性。この状況で、それ、まだ残っていると思ってるの?
そして……、そんな欺瞞に満ちた採掘を止めざるを得ないと思わせるくらいの「売り売り」……容赦なしの売り専「天の使い」なら、絶対に仕掛けるわよね? そうなると……、……。
……なんなの、これ。ただの地獄と化してるわ……こんなの。もう……わたしって、なにやってんだろう。本当に……なにを信じて、なにのために……ここにいるのよ……。




