289, そこにはね、以前……闇の勢力がたっぷりとお世話になったのよ。もうとにかく、片っ端から仕掛けては、お金を巻き上げる。……それで? 異世界転生でもしたつもりかしら?
今日はね、ちょっとした悩みをコンジュ姉に打ち明けたのよ。それは……「採掘の精霊」って、なんかガラが悪いのが多い気がするのよ。でも……まあ、採掘とはいえ、情報を扱う側の精霊でしょ? なんでそんな印象になるのか、不思議に思ってたのよ。
そしたら、その理由が……とんでもなかったの。
「わざわざ、採掘の機材の冷却にそこまで手をかけるなんて……。あれじゃ、売却なんて到底見込めないし、しかも全振り。どうして、あんな状況にまで追い込まれたのかしら……。ほんと、狂信的よね。」
「あら、そこにはね、以前……闇の勢力がたっぷりとお世話になったのよ。もうとにかく、片っ端から仕掛けては、お金を巻き上げる。……それで? 異世界転生でもしたつもりかしら? 今は転生し、『採掘の精霊』でクリーンです、なんて顔してるけど、ほんとにそうなの?」
「な、なによそれ……? コンジュ姉……。それって、言いがかりをつけて、和解を狙うつもりで……?」
「そうよ。そうやって何度も繰り返してきたんだから……その分、恨みも相当たまってるでしょうね。」
「……。」
「ネゲート、よく聞いて。『採掘の精霊』が以前どんな事業をやっていたのか、ちゃんと調べた方がいいわよ。びっくりするくらい、とんでもないのが多いんだから。」
……。本当に、とんでもなかった。
そして他にも沢山いたのよ……。カネを巻き上げるのがやたらと上手くて、それでも飽き足らずに、ついには「採掘の精霊」になったやつ。それで……、そこもやっぱり、全振り。
うん……。全振りの「採掘の精霊」は、もう完全に、わたしの想像を超えてる。そして……その精霊を説得できなければ、採掘の量子脆弱性は絶対に解決できない。こんな状況だったなんて……、アルゴリズムを変えるって……そんなの、もう絶望的なんじゃないの……?
……ちょっと、これは……。なんでそんな相手に、あんなにも「他の用途には使えない……採掘の機材」を積ませたのよ!




