288, よく考えたら……古いアドレスのままだと、期限を過ぎたら使えなくなるなんて決めておいて、その一方で、同じ古い機構に署名を「集約」させようとしてるって……本気なのかしら?
そうよ。そのとき、わたしはひらめいたわ。
よく考えたら……古いアドレスのままだと、期限を過ぎたら使えなくなるなんて決めておいて、その一方で、同じ古い機構に署名を「集約」させようとしてるって……本気なのかしら?
そう、それが「集約」っていう概念なのよね。鍵や署名をひとつにまとめて、スケーラビリティを向上させるっていう仕組み。でも……その安全性を支えているのって、結局古い鍵と同じ「楕円曲線」じゃない?
それなのに、その楕円曲線を利用する古い鍵については「量子に耐性のある新しい鍵に移行しないまま期限を過ぎれば、資産は消滅する」なんて言っておいてね……、それじゃあ、その「集約」は、一体どうなるっていうの?
……ねえ、これって、ちょっと気がかりじゃない?
今からそれを投入して、同時に「期限を過ぎたら使えなくなります」なんて、ほんとにやるの? ……ちょっと、それって……、気づかずに集約署名しちゃって、そのまま忘れて、気づいたときには資産が消滅してた、なんて事態になりかねないわよ。
さらに、集約するってことは、それだけ資産が高額になりやすいってことなのよ。つまり……それって、破れば一網打尽にできる高リターン構造を、自ら提供してしまうってことでもあるの。
なぜって? それは……、署名の大きさが変わらないからよ。
……、どんどん話が逸れて、方向性にまとまりがなくなってきてるわ……。しかも、この部分をどれだけ解決したところで……、採掘の量子脆弱性とは、何の関係もない話。本当に向き合うべきは、そっちよ。あのハッシュが支える、あの「巨大すぎる経済圏……上位二十位以内」を、どうするのか。まずはそこから始めなきゃいけないのに……。