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268, 「どんな地域一帯にも送金できて便利」……わたしは女神として、そう信じていた。だが現実には、「確実に出金できる保証」がなければ、どんな通貨も意味がなかった。

 「どんな地域一帯にも送金できて便利」……わたしは女神として、そう信じていた。だが現実には、「確実に出金できる保証」がなければ、どんな通貨も意味がなかった。たとえ口約束でも、信用さえあれば、それは立派な通貨になる。問題は、「どこに信用があるか」だったわ。


 もう手遅れなのよ……。今さらわたしが「出金不能」の調査を指示したところで、過去をさかのぼるには、あまりにも事態が肥大化しすぎたわ。被害の数も、時系列も、関連性も……すべてが壊れてしまっている。もう、何が誰のものだったかすら、誰にも分からない。


 わたしだって、それらの存在を知らなかったわけじゃない。「大精霊の通貨」にだって、大精霊の信用次第では、そんな状態のカネが存在するのは当たり前のようなこと。それでも、わざわざ新たな概念をつくり出しておいて、結局は似たような状況に落ち着くなんて……。もう、言葉も出ないわ。


 それで、具材をパンで挟むアタックに夢中になって、カモをスキャムなトランザクションで挟んで蹂躙していたら……因果という名の業……カルマが、いよいよ自分たちに回ってきた。そんな気がしてならないわ。


 だって……ハッシュ経済圏の影響により身動きできなくなった採掘の機構が具材となって、「量子ゲート」と「量子アニーリング」という名のパンに挟まれるだなんて……。その影響力と破壊力を考えたら、これ一撃で……「史上最大級の『具材をパンで挟むアタック』」になるわよ?


 皮肉なものね。あれだけ「カモ……具材」を挟んで笑っていた連中が、今度は「一口で喰われる側」になるなんて。

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