260, だって、そもそも「出金させる気なんて、最初から無い」のだから。すべては時間稼ぎ。希望を見せかける、ただの「演出」。そして、間違いなく、そこにある残高は……すべて消える。
あれから……、すべては思惑通りに止まったわ。当然よ。分散化されていないんだもの。そこが止まって、さらに……すれば、全部止まるのは当たり前。それで、「あら? コンセンサスが止まるなんて。これではフロントランニングできないじゃない」と、たっぷり嫌味を放ってその場を離れることに成功。無事、帰還したわ。
……ただね。肝心の「カネ返せ」の問題は解決していない。というより、もう解決不能なのよ。なぜなら、それこそが、このスキームの本質だからよ。
それでも、わたしに相談すれば出金不能は解決する? それは、あり得ないの。だって、無い袖は振れないって、言うでしょ? ないものは、ないのよ。どこをどう振ったって、出てくるわけがない。原資なんて、もうほとんど残っていないわ。それなら残っている分をかき集めて再分配? そんなの無理よ。
なぜかって? すでにその腐った精霊は、たとえ女神からの要請であっても……、絶対にその身柄を引き渡さない地域一帯に、しっかりと身を隠している。そこが「取引の場の崩壊……豪快な件」との大きな違いよ。
ところで、「取引の場の崩壊……豪快な件」はまだ、身柄を拘束されたから、少ないとはいえ……、ある程度は戻ってきたはず。それだけの話。それを見ていた腐った精霊は、ちゃっかりその後、身を隠せる「安全な地域一帯」へ、きっちりと逃げ込んでいたなんて。
そのため……もし出金不能、あるいは口座のロックを食らっていたのなら……、そこに「合理的な理由」なんて、あるわけがないのよ。身分証の提示? 取引履歴の提出? 指示された通り、何度も何度もやったでしょう? でもね、相手は、そのやりとりを「対応しているフリ」に使って、裏では腹を抱えて笑ってるのよ。
だって、そもそも「出金させる気なんて、最初から無い」のだから。すべては時間稼ぎ。希望を見せかける、ただの「演出」。そして、間違いなく、そこにある残高は……すべて消える。……これが、映し出された残酷な「現実」だったわ。
こんな……「残高の保護や身分の再確認を名目に、口座をロックし続けることで、出金可能という『希望』だけを与えつつ、実質的に出金を不可能にする新手の搾取スキーム」なんて、何て呼べばいいのかしら? そうね……「スキャミング」なんていかがかしら?
結局……、「コピートレード」みたいなリスクを取ってくれるなら、「無くなった」と言って逃げるのも簡単でしょうね。でも、それは警戒され、そう簡単にはやってくれない。そこで登場したのが「高い利率のステーキング」だったのね。「これなら元本は減らない」……特にステーブルなら、なおさら安心するでしょう。でも、違う。そう……出金不能よ。これを忘れてはダメ。出金できないなら、全部、意味がない。
「最初に逃げる者が、最後に笑う」……。これが、「高い利率のステーキング」の現実だった。
さて……。ミームの件は、まだ残ったまま。エックスデーを迎えた後、このミームがどう扱われるのか、それはわからない。たしかに、わたし自身は、そのミームに直接関与していたわけじゃない。でも、見て見ぬふりをしてきた。……、それは、間違いのない事実。うう……。先物によって、ある程度の流動性は確保されている。そこにミームまで絡んできたとなると……もう、単なる偶然では済まされない。
……。これも、どこかで見たことがある。……違う、そんな曖昧なものじゃない。これは明らかに、過去に実際に起きた「取引の場の崩壊……豪快な件」と、様々な状況が一致している……。つまり……。