259, それで……、エックスデーは、いつごろなのかしら?
さて、そろそろ毒が「理想なチェーン」に作用し始める頃合いかしら? 残り時間も、もう少ないわね。
「女神ネゲート様。まだそんな冗談を言える余裕があるとは……不思議でなりません。ミームの件は深刻ですぞ? すでに銘柄にも影響が出始めている、との報告もございます。」
「それで、なにかしら? あんたは、女神に流動性確保なんかをやらせて、何とかそのスキャムなスキームを延命しようってわけ?」
「女神様! 時間がありません。お急ぎください! 『ポンジのデルタ』などというのは、まったくの誤解でございます。単に一部の流動性が一時的に偏っただけ。それを悪質と断じるのは、いささか乱暴では? むしろ、女神様のお力があれば、こうした誤解も払拭できましょう?」
「……。あら、そう。じゃあ……ストレートに聞くわね。それで……、エックスデーは、いつごろなのかしら?」
わたしがそう突っ込むと……、それまでの余裕はどこへやら。急に焦りを滲ませた表情に変わり、必死に訴えかけるような目をこちらに向けてきたわ。
「女神ネゲート様! それでも先物では、私どもなりに全力で流動性を支えさせていただいております。女神様やあの大精霊様への忠義、それがすべてでございます。それこそがミームなのです。」
「質問に答えなさい。わたしが聞いているのは、『エックスデーはいつか?』……ただそれだけよ。余計な話は、いらないわ。」
「女神様! なぜそのような話に……。たしかに出金不能には問題があったかもしれませんが、今まさに、それを解決しようと……。」
「あのね? あんたのスキーム、もう完全に破綻してるのよ。見れば分かるでしょ? 『高い利率のステーキング』で民を釣って、首が回らなくなった。そういう構造のスキームはね、大抵、五年、七年……そのあたりで崩れるの。で、今まさに、その時期が来ただけでしょ? なにを『解決する』っていうの? それ、やってること全部……ただの『フロントランニング』じゃないの? あら、『最大抽出可能価値』が『最大スキャム可能価値』に置き換わっているわ。そんなこと、銘柄の界隈で何度も繰り返してごらんなさい? その回数、積み上げれば……数十年は、出てこれないわよ? 本当にわかってるの? この『現実』を……。」
あら、そろそろ時間かしら。これ以上くだらない腐った精霊に付き合う義理もないわ。じゃあ……おさらばですわ。




