245, 時代を奪われたと嘆きながらも、いまだ崇拝が絶えぬ大精霊シィー様を主君と仰ぐ、報道を司る妖精たち。もし今、私どもが崩壊すれば、そのミームとの相関を頼みに、総攻撃を仕掛けてくるでしょう。
ミームに、こんな恐ろしい本性が潜んでいたなんて……。わたしは、それを見抜くことができなかった……。
「……。あなたの望みは何かしら?」
「女神ネゲート様、この上ない喜びに存じます。それでは、『ディール』を始めましょうか。」
もう……、仕方がないわ。あのミームに絡め取られてしまった以上……、受け入れるしかないわ。
「……。」
「女神ネゲート様、嘆くことはありません。これで出金不能と化した民を救えるのです。それにしても、その賢明なるご決断、私どもは大いに喜ばしく思います。新たな時代の幕開けを、あの件で曇らせてしまっては、もはや取り返しがつかないでしょう。」
「……あの件?」
「ええ、まさにそのとおりです、女神様。時代を奪われたと嘆きながらも、いまだ崇拝が絶えぬ大精霊シィー様を主君と仰ぐ、報道を司る妖精たち。もし今、私どもが崩壊すれば、そのミームとの相関を頼みに、総攻撃を仕掛けてくるでしょう。」
「そ、それは……!」
……。完全に見抜かれている……。利用できるものはすべて使い尽くし、ミームの相関さえも駆使して、すべてを自分の側へ引き寄せるなんて。この精霊は、まさにそういう手法を得意としていたのね……。
「女神様……。もし、そのような総攻撃が始まれば、報道を司る妖精らは必ずや、声高にこう叫ぶはずです。『これは、過去最大級の癒着と称されたコンジュゲート様の件をも超越している』と。それで、女神コンジュゲート様は……。」
「待って。どうしてここで、わたしの姉の名が出てくるの……? 無関係よ、これはわたし自身の問題よ!」
「女神様、もし誤解を生じさせてしまったのであれば、大変申し訳ございません。私どもは、あのような揶揄……『コンジュゲート事件』と呼ぶことには、決して賛成しておりません。何とぞ、ご理解のほどお願い申し上げます。」
「……、……。」
……。相手に一切の隙を与えず、徹底的に追い詰め、最後に大きな要求を叩きつけようとしている。まったく、完璧な手腕だわ。でも、わたしは……。ううん、違う。こんなことになったのは、わたしがゆるかったから。それが原因よ。それでも……。