240, そこでわたしは、巷で噂になっている高い利率のステーキングについて、尋ねてみることにしたわ。
わたしは女神よ……。ここで踏ん張らないと。
「ちょっと、あなたたちが精霊に託したステーキングについて、お聞きしてもよろしいかしら?」
「なんだい? 出金できるのか?」
「そ、それは……ひとまず置いておいて、ね?」
「だったら、何だよ?」
そこでわたしは、巷で噂になっている高い利率のステーキングについて、尋ねてみることにしたわ。
「あなたたちが精霊に託したとされるステーキング。その性質を調べているのよ。さらに、その利率について、もう少し詳しく知りたいわ。」
「ステーキングの性質? 利率? またそれかよ。人気のあるものは、三桁とか普通にあったぞ?」
「三桁……? それってなにかしら?」
「おまえな……、本当に女神かよ?」
「な、なによ? ほら、どこからどう見ても女神でしょ?」
「だってさ……、今、利率の話だろ? それが三桁だったと、俺は言っているんだぞ。」
「……、えっ?」
わたしは一瞬、この者の言っていることが理解できなかった。報酬の利率が三桁? そんなの……どうやってカネを回すっていうのよ!
「三割ではなくて、三桁、よね?」
「そうだよ。ああ、ただね……。」
「なにかしら?」
「それらは、ステーキングの期間が短いんだ。そりゃ、そんな利率なら、ずっと預けておきたいよな!」
「……。そういうこと。」
そういうのは、短期で預けてもらって、その間に別の客に回すのだろう。それでも回せばいいと考えているってことね。でも、三桁の利率では、短期でも支払う額があまりにも高すぎるわ。それはもう……。
「でもよ、そんな高い報酬をもらったところで、出金できなきゃ意味がないんだよ、これが。」
「……。」
「なに、黙ってんだよ?」
「なにって! あきれてるのよ。」
「なんだと? 早くなんとかしろよ! いつ出金になるんだよ?」
「少しはおかしいと感じなかったのかしら? そんな高い利率……。」
「はぁ? ただのボーナスだろ、こんなの。今どき、利率が二とか三とか、そんなゴミはポイ捨てだ!」
ちょっともう……なにを言ってるのよ!
「そんなの、相手が回収フェーズに入ったら、適当な理由をつけられて凍結され、没収されるに決まってるじゃない! わからないのかしら?」
「なんだよ……、回収フェーズって? ふざけんなよ! いつ出金になるんだよ!」
それから、他にも通常では考えられないような高い利率をたくさん聞かされたわ。もう……結局、その精霊は、強奪される前から、こんなトラブルを山ほど抱えていたってことなのね……。