236, 今度は……「リザーブの証明」問題ね。ただ「循環」させ、リザーブを水増しして、その信用を頼りにステーキングを集めていた……、そんな都合のいい話じゃないわよね?
……。創造神様、……、女神ネゲートです。……。いつもこれよ。結局、問題が起こるのよね。
厄介な量子の精霊が立ち去ったと思ったら、今度は……「リザーブの証明」問題ね。もう、本当に……。
もともと、「リザーブの証明」の透明性は低い。それは理解しているわ。それでも……ないよりは、あったほうが良い。だからこそ、そういう仕組みになっているのよ。ただ……、その性質ゆえに連呼されると逆にうさん臭く感じてしまうのよね。
それで、そう……先日起きてしまった、強奪された件よ。その不足分を埋めるために、あらゆる手を尽くして集め直し、結果として「リザーブの証明」の監査をパスしたと、声高に繰り返しているようね。それで、一対一で結びついているから大丈夫、すなわち「リザーブの証明」において最も大切な概念……、預かった額よりも保有量のほうが多いから、安心してね。……そういうことみたい。
ところが……、「リザーブの証明」で示せるのは、その保有量のみ。一応、マイナスの量まで確認できる拡張の方法……いわゆる「バランスシート」に近いものはあるみたい。でも、基本的には保有量のみの確認になるわ。つまり、チェーン以外の場所で「別の約束……担保」などが交わされてしまうと、そちらの回収が優先されてしまうのよ。
つまり……結局、その保有量はゼロも同然なのよ。それなら「リザーブの証明」っていったい何? そうなるわよね……。
それで……。そのような仕組みを何度もしつこく安心材料として繰り返し、さらに……みんなで団結して戦うなんて、あの不自然な士気の上げ方が、妙に気になるのよね。
だって、強奪された精霊の今の状態は……、そうよ、ゼロ状態とイチ状態が重なった「スーパーポジション」よ。えっ? 創造神様、……。そ、それは……、うん。ゼロ状態は基底で、イチ状態は励起なので、あとは……そこからどんな状況か、想像してみて。これ以上は言及しないわ。
それで……その確率振幅はどうかしら? 表向きは「リザーブの証明」が安定して見えるイチ状態が優勢と見せかけているけれど……。実際には、あの有名な猫と同じ状態かもしれない。
なぜなら……、そう。妙な「エンタングルメント」が、そこには存在していたのよ。いわゆる「貸し借り」の性質よ。強奪された精霊から公開された情報を見る限り、あの状況では、そうなるのも当然ね。つまり、「リザーブの証明」はもはや独立して存在できなくなってしまった。
となれば……おそらく、近いうちに実施される強奪された精霊に対する観測によって、その状態が収束……すなわち確定したとき、どうなるかしら? 「リザーブの証明」が独立していない以上、その確定した状態次第では……まさに「エンタングルメント」と同じ性質により、その先にまで……。
えっ? その観測って、どんな瞬間なのかって? そ、それは……。報酬を得るために、まだ解約できずに一定期間動かせないもの、結構あるでしょう? それらが解放されていく瞬間こそが「観測」となるわ。だって、今の状況では……、解放され次第、そのまま外に出されてしまうのは確実よ。
それで、そこから生じてくる……、その「エンタングルメント」の不自然さが、さらに引っ掛かってくるのよ。その不自然さから読み取れることは……、ただ「循環」させ、リザーブを水増しして、その信用を頼りにステーキングを集めていた……、そんな都合のいい話じゃないわよね? そこだけは、信じても大丈夫よね? ……。
……、本当に、本当に、本当に……、強奪されたのよね? なんか、その強奪のずっと前から、突然……、相当な額がいきなり凍結されたという報告が、多数相次いでいるらしいのよ……。ううん……、これは、ただの女神の独り言よ。




