230, まったく、量子の精霊のクズどもが! 俺たちが絶好調だったあの瞬間を狙って「量子ビット」なんてブチ込んできやがって!
パワープラントまで持ち出してきた採掘の精霊との話し合いの場を、再び設けたわ。ところが……。
「おいおい、女神ネゲート様よ? 女神様が『量子ビット』を見抜けなかったおかげで、俺たち採掘の精霊はどうしろっていうんだ? すでにパワープラントも確保したし、今さら後には引けんぞ?」
「そういやお前、地のチェーンを推してなかったか? まさか……地の信仰者だったのか? 実は量子なんてどうでもよくて、その概念を俺たちに押し付けたいだけじゃね?」
「なんだなんだなんだ! それなら安心した。量子なんて関係なかったんだな? それなら、地なんて捨てて、さっさとこちら側に来てくれよ、女神様。あんな『ステーキング』なんて、使い物にならない仕組みだ。よくもまあ、あんなものを導入して平然としていられるよな、そうだろ?」
「ああ、地のチェーンの蛮行だけは今でも忘れられねぇよ! 難易度調整をボムさせて、俺たちの首を最大限まで締め上げるなんてな! こんな残虐なこと、本当にやるとは思っていなかったはずだぞ? ほんと、どうなってんだよ! そうだよな、女神様よ?」
「そうだそうだ! まったく平気でそんなことをやるのが『ステーキング』なんだよ! あの占有の仕方、よく見ろよ! ふざけすぎだろ!? あんなものが『非中央』で通るわけがねぇ!」
「もう……。話をそらさないで! わたしは耐性を考えてはいるけれども、そのような可能性もあると……。」
「おい……。そのような可能性、だと? そんなのは『絶対にあり得ない』んだ。いい加減、理解しろ! こんなの、考えるまでもない!」
やっぱり、採掘が中心にあるのは変わらないのね……。
「そもそも、俺たちの力でチェーンが動いているって理解してるか、女神様よ? それがわかってないなら、どうなるか思い知らせてやるぞ? ハッシュパワーは、それなりに俺たちの力だけで動かせるのだから。そうだろ?」
「それは……。」
「まったく、量子の精霊のクズどもが! 俺たちが絶好調だったあの瞬間を狙って『量子ビット』なんてブチ込んできやがって!」
「ああ、腹が立つぜ。推論の精霊のやつらが俺たちを冷ややかに見る、あの目を思い出してきた……。ああ、そうだな。お上品ぶった推論の精霊なんかに、俺たちの気持ちなど分かるわけねぇだろ。悔しかったら、そうだな、俺たちからパワープラントを奪い返せるもんなら奪い返してみろよ? ははは、できるものならな!」
「今回ばかりは、俺たちの完全勝利だな! なんといっても、大精霊様がついてるんだ。これ以上の強みがあるか? 推論の精霊など、さっさとどこかへ消えてしまえ!」
……。
「がはは! あーそうだ、そこまで言うのなら、俺たちに代わりの採掘専門なチェーンを用意してくれよ? 実際、俺たちは採掘さえできればいいんだよな! おっと、ハッシュはそのままにしておけよ? 採掘の機材がパーになっちまったら笑えねぇからな!」
「そうだな。女神ネゲート様でしっかり整えてくれよ? 俺たちは、そういう細かい準備は性に合わねぇんだ。」
「それそれそれそれ! 俺たちでも簡単に用意できると考え、実際に試してみたんだが……。まだ採掘できる場所からチェーンを抜き出すだけではダメだったやつだろ? まったく、なんで動かねぇんだよ!」
「そんなこともあったな! あれはシャレにならねぇから、今度こそ頼むぜ。」
「なーに、今回は女神様が全部用意してくれるんだから、気楽なもんだぜ。」
なんでそうなるのよ……。話が進まない……。なのに、時間だけが過ぎていく……。




