226, 今のあなたは、私と同じ状況……。「現実」はそんなに甘くない。必ず、何かしら反するものが投げ込まれるのよ。今回は、それが「量子ビット」だった。ただ、それだけの話。神託の修正……それが最善よ。
コンジュ姉が静かにわたしを見つめる。いつものように、あの軽い感じで話しかけてくれる雰囲気はない。……なんだろう。
「そうね。私が闇堕ちした理由……今、きちんと語るべきかもしれないわね。」
「……。」
急にそんなことを言われても……。だけど、不思議と受け入れる覚悟はできていたわ。
「私は『無尽蔵なエネルギー』を、この地の幸福につながるものとして神託にしたのよ。絶対に喜んでもらえる、そう信じていたわ。ところが、そう……。どんなものであっても、必ず何割かの者には都合が悪いのよ。それで、私の場合は地の大精霊が暴れ始めてしまったの。でも、落ち着いて考えたら、そうなるのは当然よ。急に、あり得ないような『無尽蔵なエネルギー』を突きつけられ、それが地の民を飢えさせるかもしれないとなったら……、当然、暴れるわよね。」
「……。でも、なんでそれで闇堕ちなんかしちゃうのよ……。」
ふと湧いた、何気ない疑問。それに対して、コンジュ姉は……。
「今のあなたは、私と同じ状況……。『現実』はそんなに甘くない。必ず、何かしら反するものが投げ込まれるのよ。今回は、それが『量子ビット』だった。ただ、それだけの話。神託の修正……それが最善よ。」
えっ……。ちょっと待って、今なんて言ったの?




