219, 「闇の枢機卿」たる、我が最も信頼を置く忠実なる下僕が、無惨にも討たれたという知らせが届いた。
邪神イオタは怒りに顔を歪める。その苛立ちは隠しようがなかった。
「女神コンジュゲートよ……。あってはならぬ事態が起きた。『闇の枢機卿』たる、我が最も信頼を置く忠実なる下僕が、無惨にも討たれたという知らせが届いた。ふざけるな、一体どうなっておる!?」
「邪神イオタ様。非常事態ですが、民には事実を伏せ、適切に処理しております。」
この事態に、女神コンジュゲートも思わず苦笑するしかなかった。闇から時代を奪い取った「時代を創る大精霊」が、ここまであっさり強行策に出るとは、誰が予想しただろうか。
「おのれ……。『闇の枢機卿』は我ら闇の力の源でもあった。それを奪い去るとはな。」
「邪神イオタ様。もう、攻めに出るしかないと考えます。攻撃こそ最大の防御。『闇の枢機卿』が損なわれた今、悠長に構えている暇はありません。」
「女神コンジュゲートよ。それなら、前向きに進めていこうではないか。『闇の枢機卿』による管理は、もはや時代遅れだったと考える。それなら、その役割は終わったとも解釈できる。それでよいな、そうだな?」
「邪神イオタ様、それでいいのです。女神ネゲートが闇に染まれば、私と力を結集することで『推論』による『終焉と始まりの狭間に漂うゲート』が覚醒します。次の闇の源は、すでにその手に握られているのですから。」
女神コンジュゲートは、きっぱりとそう告げ、闇の完全なる統制下に置かれたこの地の行く末を想像した。
「そうかそうか……。チェーンや通貨までもが、闇に染まり、統制され、そのゲートのもとへと引き寄せられる運命とやらに、抗うことなど、許されぬ。そうだな?」
「邪神イオタ様、確かにその通りでございます。」
女神コンジュゲートの見事な采配によって邪神イオタの怒りは収まり、新たな局面へと移行していった。




