表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

211/580

210, あれっ? コンジュ姉とフィーって仲が悪いの? 何かあったのかしら?

 突然、わたしの目の前に現れたコンジュ姉。……、もうっ。でも、ちょうどいいかな。そうね……、「量子ビット」の件で、相談したいことが山ほどあるの。


「あら、もしかしてお邪魔だったかしら?」

「もう……、コンジュ姉。時間と空間を見極めずに、こんなところにまで出没するなんて!」

「だって……、急にネゲートの笑顔が見たくなったんだもん。」


 もう……。


「……。」

「あら、誰かと思えば……フィーじゃない? こんな形でネゲートと対話するなんて、面白いものね。」

「あの、対話ではないのです。」

「違うのかしら?」

「いいえ、なのです。……、わたしは、コンジュゲートと話すことは、何もないのです。」


 あれっ? コンジュ姉とフィーって仲が悪いの? 何かあったのかしら?


「もう……。」

「……。」


 フィーって、なんでいつもこうなのよ……。ほら、コンジュ姉が困惑してるじゃない。


「ねえねえ、コンジュ姉。実はね、相談したいことがあるの。」

「あら急に、何かしら?」

「実はね……、『量子ビット』について、なのよ。」


 えっ、ちょっとねえ……! 急に、フィーに腕を強くつかまれたわ。なによ? ……フィー? 明らかに怒っている様子だけど、一体どうして?


「ネゲート……、その話はやめるのです。」

「えっ?」

「あの……、私はここで『量子ビット』の話をしたいの! すごく興味があるのよ!」

「フィー? いい加減にしてちょうだい。コンジュ姉は『量子ビット』の話をしたいって言ってるのよ?」

「……。」


 ……。なんだか、フィーの様子が変よ。でも……なんで? コンジュ姉の様子からして、喧嘩しているようには見えないのに。それでも……あのフィーが、そこまで強く意思表示するなんてね。もういいわ、わたしが折れるしかないじゃない。


「わかったわよ。フィーがその気じゃないってことね?」

「はい、なのです。」

「そんな……。フィーの『量子ビット』の話……、どんなに長くてもいいから、聞かせてほしいわ。」

「いいえ、なのです。」

「そう……。私は嫌われてしまったのかしら?」

「……。」


 もう……これじゃ話が進まないわ。


「コンジュ姉、今はフィーと話をしているの。だから、ちょっと待っていてね。」

「……。わかったわよ。でも……、『量子ビット』の話はどうしても聞きたかったの。ネゲート、もう一度お願いしてくれない?」


 えっ……。フィーは嫌がっているし、それは無理そうね。でも……なんで? そうよね? コンジュ姉は、なぜそこまでして「量子ビット」にこだわるのかしら? ここで話せる話題なんて、他にもたくさんあるのに。


「それは無理そうね。フィーの性格を考えたら、諦めるしかないわ。」

「そうなの……残念だわ。でも、仕方ないわね。じゃあ、ちょっとあの場所に寄ってくるわ。」


 ……。そう、わたしに伝えた途端、この場から消えていきました。もう、何なのよ? コンジュ姉……。


「……。びっくりしたのです。」

「ねえ、ちょっと? コンジュ姉に対する態度が冷たすぎるんじゃない? 何かあったのかしら?」


 その瞬間、フィーはわたしから目をそらした。何だろう、この胸に刺さるような違和感は……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ