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208, 悪いことは重なるものね……。ついにコミュニティ間で争い事が始まってしまったわ。

 ……。すべての発端は部分準備の件だった。あるコミュニティが、部分準備に複数の通貨を組み込むことを提案したの。ところが、それに対して「それだけは、絶対に認められない」という主張が出てしまい、意見が激しく対立してしまったのよ。


 わたしの意見としては、あの神託通り……、複数の通貨が手を取り合って頑張ってほしいのよ。でも……妥協する雰囲気なんてまったくないわ。どうしたらいいの……。


 ……。こんなにも急に、険悪な雰囲気になってしまうなんて、ありえるのかしら? ……。ううん、ちょっと考え過ぎね。たしかに、コンジュ姉が手記を出してから、というタイミングはあったけど……わたしったら、もう! 考えすぎちゃうんだから!


 でも、「現実」に映し出されたこの空間は、時間がきっと解決してくれると信じているわ。だからこそ、わたしが今できること、それは……「虚構」に映し出されている「量子ビット」の問題を解決することよ。


 さて、今日は久しぶりにフィーに呼び出されているの。何かしらね、急に。ただ、あの時のフィーの表情が暗かったのよ……。うん、きっとそうよね。今のわたしと同じ悩みを抱えているのよね。今回の問題は、次期に組み込む予定だった「テンソルチェーン」ですら、いったん後回しにして、最優先で取り組むべき「採掘」に対する修正点……「量子ビット」への耐性になっているんだから。本当にもう、そんな所を狙ってくるなんて……。


 そうよ、フィーのことに決まっているわ。きっと、何か良い手立てを思いついたに違いない……と考えたいけれど、あの表情からはそうと読み取れなかったわ。……なんだろう、胸騒ぎがする。気になって仕方がないわ。さて、急ぎましょう。

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