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196, これが本当の幸せなのね……。今くらい、コンジュ姉に甘えてもいいかしら? でも、それでも気を引き締めなくちゃ。

 突如、俺の目の前に現れた女神コンジュゲート。あまりのことに腑に落ちない点が多々ありますが、ネゲートが幸せを噛みしめているところに水を差すわけにもいかず、しばらく静観することにいたしました。


 このコンジュゲートの噂は、瞬く間にあの神々にも広がり、涙を流す者まで現れました。なぜなら、あの日……女神コンジュゲートの神託「無尽蔵なエネルギー」は、地の大精霊の観点から見れば無謀であると強く説得することができず、結果的に消滅へと追いやってしまった……。そんな思い込みから、ずっと後悔していらしたのですね。その心中、お察しいたします。


 そんな姉妹が、他愛ない会話を交わしていました。


「そうそう。創造神様よりこの地の女神を任され、それでね、女神ネゲートとして……、神託を下賜したのよ!」

「……。えっと、そ、そうね! 成長したわね。」

「そうよ。わたしの神託……『仮想短冊の通貨』で、間もなく寿命を迎えつつある『大精霊の通貨』などの部分準備を支えるのよ。もし『大精霊の通貨』、特に『時代を創る大精霊の通貨』が豪快に飛んでしまった場合、『フィーの通貨……円環』だってどうなってしまうのやら……。その影響は計り知れないわ。さらに不運は続き、市場の『ノルム』まで壊れてしまった今……、この地を救う方法はこれしかないと、女神として判断したのよ。」

「……。……、そうね!」

「もう……。なんだか反応が薄いのよね。そうか……、ううん。今はただ、わたしの神託が優先されただけよ。次こそは間違いなくコンジュ姉の番。『無尽蔵なエネルギー』だって絶対に必要となるわ。そのため、今はしっかりと休んでおくのよ。」

「……。うん、そうね……。」

「これが本当の幸せなのね……。今くらい、コンジュ姉に甘えてもいいかしら? でも、それでも気を引き締めなくちゃ。上げ基調のさなかに再度現れた『量子ビット』の件は、わたしへの警告だと受け止めるべきよね。どうせあんなの、『天の使い』などが『売り売り』で儲けるために仕掛けた罠よ! そうよね、コンジュ姉?」

「……、そ、そうね。あんなのは……罠よ。」

「コンジュ姉? さっきからどうしたの……? まさかシィーのように?」

「えっ? わ、私は『売り売り』ではないわよ。もう……、ネゲートったら。」

「だって、さっきから反応が薄いんだもん。もう、びっくりさせないでよね!」


 そんな姉妹だけの時間を、水入らずで満喫されているご様子が伺えます。俺はお邪魔になりますから、ここでの本来の役割をしっかりこなします。それは、フィーさんの介在ですね。


 ああでも……、そこに新たな疑念が浮上します。それは、フィーさんがコンジュゲートを何やら疑っているように見受けられる点です。特に、コンジュゲートの接し方にそれがよく表れていて、なんだかよそよそしいんです。いくらなんでも、ネゲートの姉に対してそのような失礼な態度を取るような大精霊ではありませんので、どうにも引っかかるものがあります。


 そんな中、フィーさんから相談を持ち掛けられました。妙に引っかかるタイミングです。一体、何なのでしょうか……。

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