188, たった一人で呼び出され、不安が募る。でも大丈夫だ。手元には、あらかじめ用意してある解があるからさ。
俺は、イデアルを名乗る精霊様に単独で呼び出される羽目になった。たった一人で呼び出され、不安が募る。でも大丈夫だ。手元には、あらかじめ用意してある解があるからさ。
フィーさんの頼れる精霊様の中でも最上位のお方と伺っています。ああ……、一度深呼吸をして覚悟を決め、恐る恐る震える手でゆっくりと扉を開いていった。
すると、目の前に鎮座するお方……イデアルを名乗る精霊様が見えました。
「ははは、女神の担い手様。そんなに緊張しなくていいよ。大精霊フィー様に頼まれて、今日こうなっただけなんだ。」
「あ、ありがとうございます。」
「君は本当に誰に対しても態度が変わらないね。私なんかにそんなにこわばる必要はないし、もっと堂々としていてくれていいんだ。そもそも、君を試すなんて、少しばかりの出来心さ。許してもらえると嬉しいんだけどね。」
「そんな、許すなんて大げさです。どうぞお気遣いなく。」
案外親しみやすい雰囲気の方で、安心しました。どうやらミィーの言っていた事は本当のようだ。
「それでは本題の前に、一つ確認をよろしいかな?」
「はい、どうぞ。」
「今頃、大精霊フィー様の怒号が飛び交っている件はご存じかな?」
俺……、フィーさんを怒らせてしまったのでしょうか。何だろう……。まさか、ネゲートをいじったのがバレたとか? 少しでもネゲート何かあれば、フィーさんが怒り出すのもわかる気がします。それくらい、フィーさんはネゲートを大切にしていますので。
「すみません。そんな事態になっているなんて……。俺の……、不手際です。」
「あの件が君の不手際になるのか? つまり、工場誘致が絡む件も君が担当しているのか?」
「えっ? 工場誘致って? それは、違います!」
……、そっちね。俺は直感で理解しました。それで怒号が飛び交うということは、つまりそういうことか。結局はカネまみれの案件が尽きないってことですね。
「それは違うのかい。それなら……、何だろう?」
「えっ? ああ、それは、その……。」
結局、ネゲートをいじったことを正直に告げました。そしたら意外にもこの話に夢中になり、解の話はさておき、話がどんどん深まっていきました。それで、彼女たちのことを話しているうちに、思いもよらない質問を打ち明けられました。
「ほほう、それで君はどちらの彼女に気持ちが傾いているんだい?」
……。
「あ、えっと……解の話の方は……?」
「ああ、そんなのもあったか。でも、それよりも今はこの難問に挑戦しよう。きっと未解決のままだろうが、それも面白いだろう。さて、どっちだ?」
……、これが難問って、まさかこんなものが出るとは……どうやって解けばいいんだ?
「うーん、これは無理そうです。さすがに難しすぎる。」
それから面白い話題で盛り上がり、結局この難問は「未解決」のまま。あれ? 解の話は? そういえば最後まで出てこなかったな。まあ、いっか!
最後に、またこのような未解決問題に挑む日が来ると言われましたが、はは、どうなることやら。




