183, 「ミーム」のコミュニティなどで、「安価な労働力」の蔓延を巡る活発な議論が始まっているわ。
創造神様、女神ネゲートによる報告です。
まず初めに……、シィーがあんな怒り方をするなんて、想定外だったわ。それでも、フィーが「推論」による構築で話をまとめてきたおかげで解放されたわ。
えっ? そうね……、逃げる事はできたわ。ところが、逃げたところで何も解決しないし、もしわたしが逃げたのなら、次は絶対に逃げられない相手をわたしの身代わりとして間違いなく捕らえたはずよ。その相手とは……そのような力を持たない者、つまり「女神の担い手」よ。
……、それだけは絶対に防ぎたい一心で、必死に耐え抜いたわ。……。そんな事情も知らず、のんきよね、もう。
さて、フィーの誘いに乗ったシィーの思惑は「推論」の力で稼ぐためよ。となると……、それと同時に生じる現象が「安価な労働力」の蔓延となるわ。すでに「ミーム」のコミュニティなどで「安価な労働力」の蔓延を巡る活発な議論が始まっているわ。ある者は工場を建設すればすべてが解決すると謳っていたけど、工場の操業の多くを「推論」の力が担っているようではお話にならない。実際、それで雇用を失い、別の安価な労働に回され、さらに待遇が悪化する。そんな現象も起きてしまったわ。
それで……、シィーは「ミーム」を嫌っているのかしら? 基本的に、そのような率直な意見を交わしながら、現実的な議論が進むのは「ミーム」のコミュニティが多いのよ。正直、特に精霊や大精霊にとって耳障りな話題が尽きない。民の不満が至る所に溢れ返っているわ。
さらに、シィーはこのような「安価な労働力」を「大精霊の承諾を得ないまま勝手に移り住んだ民」を巧みに利用して優遇する方針を取っているので、現状、この流れが止まることはないわ。さすがに「錆びついた工場……奴隷労働」については改善の兆しがみられているけど、その代わりとして「安価な労働力」が提供された。今まで奴隷労働によって濡れ手で粟だった精霊が、いきなり労働に見合う待遇を民に提供できるわけがないわ。その奴隷労働だって、はじめのうちはちょっとした小道具などの相場に影響が出ない品物だったはずが……いつの間にか「演算が関わるような高度な品物」までその奴隷労働に頼り始め、急に経済がおかしくなった。そこに頼れる精霊が「売り売り」を乗せてしまい、ノルムを壊し、計量できなくなって……、マジックショーに頼った。なんだか、「大過去」から映し出される現実って、こんなのばかりよね?
それでも……、今は「推論」に賭けるしかない。なぜなら、シィーの通貨の部分準備に仮想短冊の通貨を割り当てる件については、現状ではアタックの懸念があると、シィーから何度も聞かされたわ。……、何事も油断はダメね。そこは反省しているわ。特に「地の通貨バスケット」には、シィーの通貨の覇権を脅かそうとする狙いがあるのかもしれない……。よって……。
ちょっと短いけど、こんな感じでよろしいかしら。それでは、このまま現実に映し出されて元の空間に戻りますね。