170, それでは四つ目。チェーンのコアよりもさらに深い位置にある、鍵を操る「クリプト」と呼ばれる場所を私の「推論」の力で論理的に精査すると、そこには……?
それでは、私の「推論」の力で……。その推論は、チェーンのコアよりもさらに深い位置にある、鍵を操る「クリプト」と呼ばれる場所に到達したわ。この「クリプト」と呼ばれる場所は非常に複雑で、一般的な「推論」より格上となる私の「推論」……そう、「大精霊の推論」が本領発揮する場所となったわ。
なぜなら、その違いはすぐにわかる。一般的な「精霊の推論」では、やはり……、曲線に対する鍵のスカラー倍を操るクリプトの最深部をうまく生成できずに苦戦してしまったわ。そこを生成させると、その設計図を渡してはくるけどね……。何度やっても、その設計図では鍵がうまく構築できない。つまり「秘密の鍵」から得られる「公開の鍵」がうまく計算できず、「公開の鍵」が曲線上に乗らないのよ。そんな「公開の鍵」に仮想短冊を送ったらどうなると思う? そう……その仮想短冊に宿る残高は二度と使えない状態に陥るわ。
そこで「大精霊の推論」よ。これこそが今の私の「推論」であって、抜かりなしよ。たった一度の生成で、曲線に対する鍵のスカラー倍を正確に描写し、正確な設計図を渡してきたわ。
それでね……私自身も驚きを隠せないでいるのよ。この性能なら……ね? 時代を創るのは「推論」よ。
さて、この「推論」の力で鍵を操る「クリプト」を精査すると……、色々とみえてきたわ。まず言えることは、トランザクション数が多い場合、必ず最新のコアを使うことよ。この部分は計算できれば良いのではなく、実は……「推論」自体が脅威になっていて、より高度な防御機構が求められるわ。そうしないと……、ね? それでは、その周辺から始めていきましょう。
……、そういえば「この地で共通して使われるクリプト」があったはず。それなら、多くの情報分野で積極的に活用されている点より、すでに精査を終え非常に高い完成度になっているわ。ところが、チェーンはそれを利用せずに、専用に構築されたものが組み込んであるのよ。どちらも鍵の仕組みは同一なのに、どうしてわざわざ……、となるわよね?
その原因は……、どうやら女神ネゲートのようね。ゆるゆるで対応していたら、「この地で共通して使われるクリプト」が厳格化されて使えなくなってしまった。つまり「女神の問題」であった。……、それなら不可抗力で、仕方がない。女神ネゲートのゆるさは、もう直らない。その点は私も諦めているわ。でもどうして……、ゆるゆるな女神様は私にだけ冷たい態度をとるのよ……。




