165, チェーンの最大の問題は、その構造にあるのよ。それでは、その構造を誰にでも再現できるように、その詳細をみていきましょう。「自分以外は絶対に信用するな」……これが、チェーンの現実なのよ。
私……女神シィーによる「推論」の時代が本格的に始まりましたわ。「絶好調」でしょう? 収益が抜群過ぎて、ずっと一緒にいたくなるはず。私は、その「推論」に対する可能性に賭けていただきたいのよ。「推論」が膨大な収益を奏でれば、その下には数多の民や精霊たちが、その恩恵にあずかれることを忘れないで欲しいわ。
そして私の「推論」により得られた「安価な労働力」を効率良く提供するという合理的な判断を、今、実行に移したわ。これは本当に合理的で持続可能なのよ。さすがは「推論」よ。なぜなら、与え過ぎもよくないからなの。そのような「与え過ぎ……楽園」を再現した実験では、すべて絶滅という結果で幕を閉じていたはずよ。
それでね、「安価な労働力」から這い上がってきた民や精霊こそが、その実力から「好待遇の労働力」にありつける。それで十分なのよ。ところで中流階級は……、そこはやっぱり「推論」で置き換わってしまうわね。
……。こんなにも順調に軌道に乗り始めた「推論」に対して、そう……。女神ネゲートの存在よ。尋問は継続しているわ。なかなか落ちないから、私に地下牢であんな事までさせて……。でも、そろそろ落とせる秘策を考え付いたのよ。
その秘策とは、構造を追求する点にあるわ。チェーンの最大の問題は、その構造にあって、どうやってもセキュリティが十分を満たさないので、チェーンの構築を他の者に任せることが絶対にできないという仕組みがそこにあり……、それゆえに全部、自分で構築するしかない。このような「全部自分で抱え込まないと必要最小限なセキュリティすら確保できない仕組み」に持続可能を感じるかしら? だからその証拠に、定期的に「仮想短冊の通貨」が奪われているでしょう? あれらは偶然ではなく、この問題から起きているだけなのよ。
つまり「自分以外は絶対に信用するな」……あいつらはひたすらに隠し続けているけど、これがチェーンの現実なのよ。それなら直せって? それは無理。これはチェーンの構造の問題なので、いくら改良を試みたところで、今後、この問題だけは絶対に直ることはないと、私と「推論」が断言するわ。
それでは、その構造を誰にでも再現できるように、その詳細をみていきましょう。