122, このインフレとの闘い。そして、仮想短冊の「女神……」を崇める第三の勢力の台頭。もう……。
創造神様、「大精霊の推論」で女神に昇格する見通しの大精霊シィーです。ただ、未だ頑なにフィーには反対されているわ。私が女神になりさえすれば「強くて当たり前の女神」になるのよ。この地で起きているあらゆる問題はすべて解決するのよ? なのにどうして……。ううん、時間が解決するはず。きっとそう。
それでもフィーには感謝しかないわ。なぜなら、今は我慢の連続……「買いの容認」で頑張っているからよ。私はインフレと闘うための策を講じていて、すでにご存知のはず。それは結局、引き締めと緩和を同時に行える状態にしたのよ。えっ? アクセルとブレーキを同時に踏めるのかって? 普通はそうなるわよね。そこで私はインフレを抑え込むために、高水準の私の利率を維持しながら、同時にフィーの円環の利率を低めに設定してもらい、そこにあの「マジックショー」を加える戦略を選んだのよ。するとあら不思議、引き締めと緩和を同時に行えるという魔法が実現するのよ! ……? その仕組みを支えるためのエネルギーはどこから調達したのかって? もう……、創造神様って意外といじわるよね? それを私に言わせたいのかしら? 私は風の大精霊よ。その恩に報い、しっかりと円環の市場に私の頼れる精霊の価値を向かわせている事でしょう。それでね、もしこれが地の大精霊なら……、その通貨の骨の髄まで搾り取って去るのみ。それが「大過去」から映し出される現実よ。いかがかしら?
さて、私が大精霊の書で焚きつけた「天の使い」が動き始めたようね。「天の使い」は、「売り売り」のためなら、誰もが目を背けたくなるような残忍な手段すら、ためらうことなく平然と用いるわ。仮想短冊のあいつらにぶつけるには最適なお相手となるから、ちゃんと可愛がってあげてね。
それでかしら。どうやら私の政敵がその危険を察知したようね。ほんと、そのあたりの本能だけは認めてあげる。それで、信徒と化した大勢の支持者たちの前に立ち、私を打ち破った暁には、「仮想短冊の通貨」に対する政を大きく推進すると声高々に宣言したのよ。ほんと、わかりやすいわ。少しは隠しなさいよ、もう!
そんな支持者たちが参加する「仮想短冊の通貨」のコミュニティでは、いよいよ、信徒となって「ゆるゆるな女神」の勢力につくか、それとも伝統的な私の勢力につくか。そんな雰囲気が垣間みれてきましたの。
でも、そこに第三の勢力が現れたのよ。なんとそれは、仮想短冊の通貨を祭り、この地で一度も耳にしたことがない架空の「女神……」を崇めるという過激なコミュニティの台頭……いわゆるカルトの発生よ。ほんと、何なの仮想短冊って……、もう! こんなの信じられる? でも、本当なのよ。
その「女神……」は、私を邪神、私の頼れる精霊を悪魔呼ばわりしながら、その邪神と悪魔たちをこの地から消滅させ、「仮想短冊の通貨」と「伝統的な大精霊の通貨」を結び、この地を導く新たなる指導者となる設定だったわ。なによこれ? こんなのを勧誘され信仰してしまうのかしら? でもね……そこに全域からの若い民たちが集まってしまい、大きな勢力に発展しているのよ。あのね……、そのカルトに若い民たちが集まる大きな理由は、その勧誘で、僅かながらに配布される「仮想短冊の通貨」が原因なことくらいはすでに掌握しているのよ。その渡した仮想短冊を少し吹かして値を上げて喜ばせる手口でしょう。そうよね? それで、未だにフェイクなボリュームが稼働しているのは、このためよね。フェイクなボリュームなら実際の価値を投入する必要がないから、最小限のコストで勧誘できるという魂胆がみえみえで、そこにあるのよね?
それでね、そのカルトの規模は……、見逃せる水準ではない大きさに達しているのよ。そうね……推定で数百万から数千万の規模かしら。さらに、その支持者たちが半ば強引な布教活動で仮想短冊のコミュニティ全体を駆け巡り激しく勧誘するものだから、こんなのを放置し続けたら……、あの「豪快な件」を超える大変な事態に発展するのは間違いないわ。
ちなみに、こんなひどいことをパブリックなチャンネルで展開しているようなので、私の頼れる精霊を調査として潜伏させたのよ。そしたら、見事にそのままだったわ。少しでも私や私の頼れる精霊を擁護しようものなら、その支持者たちからボコボコにされ、洗脳のために「仮想短冊の通貨の優位性」と「地の通貨バスケットの素晴らしさ」に関する映像を延々とみせられるのよ。もうね……、これこそがカルト。そのままの勢力になっているわね。
それでね、その教えの内容は、間もなく崩壊する「この地の主要な大精霊」の通貨を闇へと完全に葬り、「現物のゴールド」を超えた「仮想短冊の通貨」を新しい価値の蓄積としてこの地に歓迎する……という、私ですら卒倒しそうな内容だったわ。このあたりは、やはりあいつらと同じ思想を持つようね。ところで、そのあいつらは私に対して「恥だ」と述べたわ。でも、このようなカルトに対して恥とは言わないのかしら? そうよね?
だいたい……、そのような活動自体が「仮想短冊の通貨」の価値を落とすことに、なぜ、気がつかないのかしら? 私だって仮想短冊を承認した以上、共に成長する道なら、しっかりと共に歩むわよ? それで値が上がるのなら、文句ないわよね? それなのに、なぜ私の消滅が前提なのかしら?
まあいいわ。私が女神となった瞬間、そのカルトは終焉を迎える。私が何も知らないと勘違いしているのかしら? そうね、「ゆるゆるな女神……ネゲート様」とは折り合いをつけることで共に成長する道は常に開かれているけど、あいつらやカルトはお断りよ。何の迷いもないわ。そうよね? 創造神様。




