いまN国党の立花孝志さんがオモシロい
先ほど、N国党の立花孝志さんが、参院埼玉選挙区補欠選挙に出るため、国会議員を辞めると発表しました。(2019年10月8日)
立花さんには、驚かされてばかりです。
ところで、
先日、わたしの友人が言ったんですね。
「N国党って気持ち悪い」って。
「どうして?」って聞いたら、
「なんか宗教みたい」と言いました。
どうも、彼は、N国党が気に入らないらしい。
わたしは、結構オモシロいって思うんですけどね。
わたしが初めて立花さんを見たのは、2019年夏の参院選の政見放送でした。
NHKで見ました。
「NHKをぶっ壊す」と人目を引くスピーチ。
公約はNHK放送のスクランブル化のみ。
恥ずかしながら、それまで全然知らない方で、ぱっと見、大変失礼ながら、ドクター中松さんや、マック赤坂さんのような、いわゆる色物立候補者かと思いきや、
大違い。
一応、言っておくと、わたしNHKをよく観ています。天気予報とか、台風地震情報とか、教育番組とか……。「みいつけた!」のスイちゃんにも、時々癒されています。
だから、N国党を支持している訳でじゃありません。
受信料はちゃんと払ってます。
それでも、N国党がオモシロいと思うんですね。
なぜかと言うと、
NHKの受信料徴収システムには、民主主義国家として、致命的な欠点があるから。
まあ、その欠点にふれる前に、ちょっと、NHKの受信料はどのくらいの規模であるか、確認してみようと思いますが、
平成30年度(2018)の受信料収入は、7122億円。
ここ数年上昇傾向があります。
これだけじゃ、よく分からないので、他のテレビ局も調べると、決算報告書を見れば一目瞭然。(2019年)
フジテレビ、2679億円 (フジテレビジョンのみ)
テレビ東京、1492億円
TBSテレビ、2173億円
テレビ朝日、3017億円
日本テレビ、3798億円 (メディア・コンテンツ事業のみ)
(不動産事業などによる収入は除いた金額)
民放各社と比べると、NHKの受信料収入は、だいぶ多いんじゃないかなあ、と感じられます。
世界と比べるとどうでしょう。
他の国々にも公共放送はあるので、比較してみると、たとえば、
イギリス、7982億円
フランス、4244億円
ドイツ、8489億円
韓国、1594億円
( Ofcom "International Comunication Market Reort 2016" より)
ヨーロッパ各国と比べれば、収入規模は、まあまあ妥当なところかもしれません。
今の日本の制度だと、テレビやワンセグなど、受信設備を持っていると、受信料を支払わないといけないんですよね。(放送法 第六節 第六十四条)
一応、海外だと、ドイツなんかは「テレビを持っていなくても」受信料は徴収されます。
イタリアなどは、電気料金と一緒に強制徴収される仕組み。
これはこれでスゴイですね。
受信料を支払わなかったら、電気を止められてしまうかも……。
受信料を廃止した国もあります。
フィンランドなどは廃止して税金化しましたし、ルーマニアなどは政府交付金のカタチに変えました。
放送局を国営化すると、批判する人がいるかもしれません。
政権を取った為政者の道具になって、公平な報道ができなくなる恐れがあるから。
いわゆる共産主義国家とか、独裁国家ではこの傾向があります。
ところで、
わたしたちの民主国家では皆、税金を払います。消費税だって払いたくないけど払います。
その代わりに何があるか。
選挙があります。
国民の代表を選んで、国の制度を変えていくことができます。
一般企業だと、どうかと考えると、
株主総会があります。
株を買って持っていれば、経営に参加することができます。
じゃあ、
NHKはどうかって考えると、
わたしたちは受信料を徴収されるけど、選挙も株主総会も、何もないんですよね。
ただ、与えられたコンテンツを消費するだけで、わたしたちに主権はありません。
公務員の選定と罷免は、憲法十五条に保障されている、国民固有の権利だけど、NHKの職員は公務員ではないので、それがありません。
国営化すれば、まだ国民主権が建前上保てるかもしれませんが……。
なんだか、今の受信料って、税金より酷く感じてきません?
テレビやワンセグ機器を持っていれば、NHKを見なくても受信料を支払わないといけません。
「受信料を支払わない自由」が認められていないのです。
憲法第十三条において、「自由及び幸福追求に対する国民の権利」には最大の尊重が必要とされています。
これは「公共の福祉に反しない限り」という条件付きなので、NHKは公共放送だから例外だ、と思ってしまうけれど、
NHK職員の平均収入は、1124万円。(2018年、職員数10318人)
一方、「民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均給与は、
男性532万円、女性287万円
正規494万円、非正規175万円
平均値を比較すると、二倍以上の差が見られます。
これらを並行して考えると、「法の下の平等」(憲法第十四条)、「経済的又は社会的関係において差別されない」に違反していると感じる人もいるんじゃないでしょうか。
なんだか問題がありそうだけど、この制度を変えていくのは至難の業。
民放各社の二倍以上の安定した収入を確保し、公共放送という権力を持ち、法で守られた巨大な組織。
普通の政治家なら、それを変えられません。
ひと昔前であれば、すぐに社会的に抹殺されてしまったことでしょう。
その動きはすでに起きています。
先日、2019年9月27日、
共同通信のニュースで、「N国党首、人口増に「虐殺」言及」と言うのが出たのでビックリしました。
いくらなんでも常識的に考えて、国会議員になるような人がそんな事は言わないでしょ、と思いましたが、
その記事はこちら。
〇引用
NHKから国民を守る党の立花孝志党首が、増加する世界人口への対応に関し「ものすごくおおざっぱに言えば『あほみたいに子供を産む民族はとりあえず虐殺しよう』みたいな」と発言していたことが27日、分かった。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開された対談で語った。直後に「やる気はないけど」とも付け加えた。
ジェノサイド(民族大虐殺)を想起させる内容で、与野党から批判が出る可能性がある。
日本から貧困国住民への教育支援に疑問を呈し「犬に教えるのは無理。犬に近い。世界中の人間には、それに近い人が圧倒的に多い」などと強調した。
〇
共同通信だから、すぐさまロイターとか海外のニュースサイトにも掲載されました。
そして、ヤホーニュース。
ここには、いろんな読者のコメントがあるので、世論の一部を知ることができます。数えていませんが、多くは立花さんを批判するものばかり。
次の日には、朝日新聞でも(何日かおいて社説でも)、「アホみたいに産む民族、虐殺しよう」との見出しで取り上げられ、政治アナリストが「常軌を逸した発言」「炎上商法をしている」となどと叩いていました。
新聞しか読めない時代だったら、立花さんがそういう人格だと、わたしも信じてしまったかもしれませんが、今は、情報ソースを確かめるのが誰でもカンタンにできる時代です。
さっそく確認して見ると、
(「神谷VS立花-ヒートアップする討論!人間は醜いと教育すべきだ!(第四夜)
これは、二人の政治家による、世界の人口増加問題に関する真剣な議論でした。
メディアは、この議論の中で使われたセリフを、脈絡を無視して引用し、組み合わせることで、立花さんがいかにもそう考えているように「印象操作」しようとしていたんですね。
朝日新聞はいいんです。そういう新聞ですから。
共同通信がそれをやったのはショックでした。わたしの学生時代の恩師が働いていた会社だったから。恩師も呆れてるんじゃないかと思います。
この前も、立花さんが、二瓶文徳議員脅迫容疑で書類送検されたと報道がありましたが、
とにかく、メディアがタッグを組んで立花さん潰しに掛かっています。
たぶん、ユーチューブをやっていない普通の国会議員だったら、即、社会的に抹殺されていたでしょう。
でも、立花さんはへこたれません。
すごい胆力だと思います。
参院埼玉選挙区補欠選挙に出馬しなければ、残りの任期、ぬくぬくと議員生活が送れたのに、立花さんは、
N国党の議席数を増やすチャンスだと考えたんだと思います。
負けても議席数は変わらず。
勝ったら一つ増える。
NHKのスクランブル放送化に向けて、批判を浴びる覚悟をして、前進しているようです。
そうそう、NHKで見た、立花さんの政見放送も、オモシロかった。
「受信料を踏み倒しましょう」と演説した後、
NHKは何をしたか。
政見放送の直後に、
「引っ越ししたら、受信料の支払い手続きをしましょう」ってお知らせ(CM)をぶち込みました。
もう、コントです。
感動しました。
この戦いは目が離せません。
突き詰めて考えると、国民の自由と主権の問題だから、軽い話じゃないんですけどね。
まあ、とにかく、
いまN国党の立花孝志さんがオモシロい。
わたしN国党を支持している訳でじゃありません。
受信料はちゃんと払ってます。
ちなみに「ヤホー」はツッコミを入れていい箇所です。