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妄想世界~女神の過ち~  作者: 耕一
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第8話~ベッドの上で~

「おい、大丈夫か!?」


何とか プルミエに戻って来れたが、

翼を持つライオン(エールライオン)のフレイムブレスで

大火傷を負っているため、

その場に倒れこんでしまった。

俺が覚えているキズンは傷を治すための魔法で、

火傷を治すには別の魔法が必要。

そのため徐々にHPが減ってしまう。

タインでHPだけ回復しながら来たのだが、

途中でMPが切れてしまい、瀕死の状態だ。

女神の守護がなかったら

既に死んでいたかも知れないな。

取り敢えず門番の・・・名前は覚えていないが、

俺に気付いてくれたからもう大丈夫だろう。

そしてそこで意識を失った。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


・・・ここは。

建物の中だ。

どうやらベッドで寝ている様だ。

気絶してしまった俺を

門番の人がここまで運んでくれたんだろう。

火傷も回復している所を見ると、

治療まで施してくれたみたいだ。

ベッドの横に女性が椅子に座って寝ている。

彼女は確か・・・


「・・・あっ、気が付いた様ですね、

 コウイチさん。」


フォーメーションで説明をしてくれた女性、

サーシャさんだ。

という事はここはフォーメーションの一室か。


「お体は大丈夫ですか?」

「大丈夫です。

 意識を失っていたんですね。

 どの位意識を失っていましたか?」

「一晩です。今は朝ですよ。」

「そうですか。

 ご迷惑をお掛けしてすいません。」

「いえ、それより何があったんですか?

 コウイチさんが向かった場所には

 あんなに酷い火傷を負う場所でも

 負わせる魔物もいないはずですよ?」

「エールライオンに襲われて、

 フレイムブレスを喰らってしまいました。」

「エールライオンのフレイムブレス!?

 コウイチさんのLvじゃ

 一瞬にして消し炭にされても笑しくない

 魔物ですよ!?」

「本当に死ぬかと思いましたよ。」

「でも無事で何よりです。

 それにしてもエールライオンですか。

 一時的にジェリーの森を

 立ち入り禁止にしないと。」

「立ち入り禁止ですか。

 でもエールライオンはどうするんですか?」

「何処かに行くのを期待しても無駄でしょうから

 退治をしなくてはいけませんね。」

「エールライオンを倒す宛があるんですか?」

「冒険初心者では太刀打ち出来ないから

 彼らに頼むしかないかしら・・・。」

「彼ら?」

「今この辺りでエールライオンに対抗出来そうな

 冒険者のチームです。」

「初心者が集まる町で実力があると言う事は

 将来有望な冒険者なんですね。」

「いえ、そういう訳ではなく・・・。」


何か含みのある言い方だね。

この場合は・・・


「その冒険者に何か問題があるのかな?」

「まぁ、少々・・・性格に問題がありまして。」

「かなり性格に問題があるんですね。」

「・・・はい。」


これは物凄く性格に難があると考えた方が

良さそうだね。


「Lvが10前後の4人パーティーなのですが、

 ちょくちょくこの町に寄って初心者を馬鹿にし、

 度々争いになってしまうのです。」


普通はLv6、遅くてもLv8で

プルミエを出て次に進むのが一般的だ。

勿論転職で一時的に弱くなった冒険者も

この辺りで経験を積んだりはするが、

Lv10になってまで初心者を馬鹿にするために

戻ってくるなんて、どうしようもない冒険者だね。

そいつらが来る前に次の町に進んだ方が良いかも。


「コウイチさんには道案内して貰わなくては

 行けないので本当に申し訳ないです。」


ん?

俺が道案内?


「俺がそいつらを連れていくの?」

「エールライオンの出現した場所を知っているのは

 コウイチさんだけですから。」


これはまた逃げられないパターンってやつだね。


「その冒険者がここに来るのはいつ位ですかね。」

「1週間以内には来ると思います。」


その手のやつらは、いざとなると弱いってのが

相場で決まっているからね。

仕方がない。

そいつらが来るまでに

少しでもLvを上げておくか。

出来れば1人でエールライオンを倒せる程度に

強くなりたいけど、25倍でLvが上がるとはいえ

流石に1週間じゃ厳しいかな。


「この辺りで経験値を稼ぐのに一番良い場所は

 何処ですか?」

「ゴブリンの森ですが、コウイチさんのLvだと

 厳しいですね」

「Lvは3に上がりましたよ。」

「それならLv5位までは

 キラーアベーユやクローラパン辺りで

 経験を積んだ方が良いですよ。」

「分かりました。

 道案内で殺されない程度に

 経験を積んでおきますよ。」

「一応他の冒険者にも声を掛けてみますが、

 期待はしないで下さい。」


わざわざ戻って来てくれる強い冒険者なんて、

早々いるわけないしね。

期待しないで自分を鍛えるとするかね。

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